心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.186 Rose et moi 主催作品展に協賛出品@京王聖蹟桜ヶ丘(3/30~4/4)

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ここを通ると、

京王百貨店の粋な計らいを嬉しく思います。

京王聖蹟桜ヶ丘店のA館とB館の5階通路は幅広く、

両側がギャラリーになっています。

大勢の来店者や駅利用者が出展の作品を

気軽に楽しめるようになっています。

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2年前の多摩市民文化祭で知り合いになった玉置悦子さんから

協賛出品のお申し出をいただき、展示させていただきました。

玉置さんは押し花絵額、アート&ブリザードフラワーアレンジメントと

幅広く活動されている方です。

大勢の生徒さんとともに、

花の美を暮らしの中の彩りとして追及されています。

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※ 「ふんわり 空中散歩」  玉置 悦子 作 

 

ちょうど今はお花見のころ。

桜ヶ丘という地名の通り周辺は桜がいっぱいです。

今度の日曜日(2日)は「せいせき桜まつり」です。

 

桜もいいですが、妻はこちらも気になるようです。

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デパート内がネコの写真や商品であふれています。

昨日は平日なのに大勢の来客で驚きましたが、

みなさん、ネコを求めて忙しそうに動いているの?

そう思ってしまいましたが、

気のせいですね。

 

Rose et moiさんの作品展は10時から17時までです。

最終日は16時までです。

 

(2017.3.31 記)

No.185 幼稚園のパネル「光に向かう子ら」~その4「子どもたちへ」

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パネルが完成して窓枠にはめられた後、

園の子どもたちへのお話の機会を頂きました。

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「ガラスはお天気や時間によっても見え方がかわるし、

 皆さんが見るときの気持ちによってもかわるかもしれません。

 楽しいときには楽しく見えて、

 悲しいときには泣きながらみるかな?

 でも虹って雨のあとにでるでしょう。

 悲しいときにこのにじを見たら、

 雨あがりのときのように

 うれしい気持ちになってくれたら

 とてもうれしいです・・・」

小さな子どもたち、

妻の話を静かによく聞いていました。

 

冒頭のカードを持参し、

園の子どもたちみんなにお渡しのお願いをしました。

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この階段踊り場のステンドグラスが

子どもたちに見られながらも、

いつも子どもたちを見守って欲しい・・・

そう願って妻と園をあとにしました。

 

お世話になりました園長様、園主様はじめ園のみな様、

取付の工夫などご尽力くださった工務店のみな様

ありがとうございました。

 (2017.3.20 記)

No.184 日本青年館ホールの木の灯り(其の12)~「欅の灯り」完成

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※左面:春  右面:冬 

 

私には身近過ぎるように思える欅だが、

ひと冬前に始まった欅とのふれあいに、

妻は何を感じたのだろうか。

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欅のすべての始まりは冬。

欅の古木の穴に宿るスズメ。

春を焦がれる実生(みしょう)を宿す欅。

木枯らしにゆれる小枝にも、

期待はふくらむ。

 

春、

見ると、

赤くかわいらしい花。

 

 

 

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※左面:秋 右面:夏 

夏、木陰飛び交うルリビタキ

幸せを呼ぶ青い鳥。

日本青年館にも大きな欅。

 

紅葉した葉の奥に

ふんわりと秋の欅並木。

 

 

 

組み立て前の冬から始まる欅の四季。 

※右から冬、春、夏、秋

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“身近なものほど気づかない

 見ようとしなければ見えない”

私は小さい時から欅を見て育ったが、

こんな花をつけるとは知らなかった。

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花は妻に教わった。

妻は感受性が強く

作品作りには役だつようだが、

疲れないかと気の毒に思うこともある。

私は自然に見えてきたもので十分な質。

妻は私の鈍感力が羨ましいとよくいう。

褒められたのか、

しょうがないねと言われているのか

よく分からない。

踏み込まないようにしているから、

ひと時幸せだ。

(2017.3.15 記)

No.183 日本青年館ホールの木の灯り(其の11)~「桂の灯り」完成

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妻と1年前の冬に「とおの木」探しをした。

桂の木は近所にはないと思っていた。

春になって、妻がここにも、あそこにもと

近所の街路樹3カ所で桂の木を見つけた。

案外身近に見られる木だと知った。

丸い小さなハート型の可愛いらしい葉が特徴。

色づいた秋の葉は甘い香りで、ある地方では“おこうの木”とも。

 

冬の栄養源の桂の木の実を食べに来た“マヒワ

群れて食べに来る。

人に可愛がられたきた鳥だが弱い鳥で、

漢字では“弱い”という字をあてて“真鶸(マヒワ)”

桂の木に寄り添い共に生きている。

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昨日、設計されている方が

急ピッチで進む建設中の建物の様子の写真を送ってくださいました。

ますます完成が楽しみになりました。

公式ホームページではホール会場等の完成予想図もご覧頂けます。

  http://www.nippon-seinenkan.or.jp/dai-hall/index.html

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ホールの楽屋等11の部屋の入り口の使用木材は

部屋ごとに松、桂、栗、欅、桜、杉、栃、橅、楢、桐、朴の11種。

11種の木の室名の掲げられた部屋入り口を

それぞれの木を表現した妻のあかりが照らす設計です。

 

(2017.3.5 記)

No.182 幼稚園のパネル「光に向かう子ら」~その3「完成」

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無邪気なかわいらしさ。

妻の作品には今までなかった雰囲気です。

園との図案のやりとりで生まれたからでしょうか。

ようやく残りの右片面も2週間前に完成しました。

 

2面併せて、82cmx153cmのサイズ。

これまでこのサイズのご依頼は、

大きいから無理と大手の工房を紹介していました。

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このサイズが可能になったのは、結婚して家を出た娘の、

いや、娘の部屋のおかげです。

娘が出たあと放置されていた部屋を、

1年ほど前、妻にステンドを教わりたい人のために

二つ目の工房にしました。

この作品が作れるのは、娘の部屋のおかげね、と

妻と何度も何度もそんな話をしました。

本当は、まあ、私としては娘が結婚して家を出ても

部屋はそのままでいいかなと思うところもあったのですが、、、

 

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部屋を作業場に変えた勢いのまま、

娘の部屋のドアは、

外され、穴を開けられ、ブラケットを取り付けられ、

作品の出来具合を確認するための工房一部と化しました。

もう娘の戻る部屋はなくなりました。

(娘が結婚してもう4年よ、と妻が横で言ってます。)

 

この無邪気なかわいい作品を見ると、

未来に向かって歩んでね、と

娘からのエールのようにも思えてくるから

・・・

困ったものです。

 

(2017.2.25 記)

No.181 日本青年館ホールの木の灯り(其の10)~「松の灯り」完成

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生まれたばかりの松ぼっくりを食べるリス

かさの大きく開いた松ぼっくり

ピンととんがった松葉

花粉をつけた松の花

そして見守る松の樹皮

 

何度も何度も

樹木にふれ・・・

息づかいを感じ・・・

ようやく灯りになりました

 

日本青年館ホール11種の木の灯りに込めた

生きものたちの四季を通しての共生と成長への願い

ホールの舞台に立つアーティストの

成長とさらなる活躍への祈り

 

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 この「松の灯り」は

日本青年館ホール完成後

地下1階の連なる楽屋奥の「ピアノ庫」前を照らし、

観客に満足を届ける人々を見守るのでしょう。

 

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ホールにある楽屋などの11の部屋の入り口の使用木材は

部屋ごとにそれぞれ異なり、

松、桂、栗、欅、桜、杉、栃、橅、楢、桐、朴の11種。

この11種の木の室名の掲げられた部屋入り口は

室名の木が使われ、

その木を表現した妻のあかりが照らす設計です。

 

 

※冒頭の写真提供:Kさん(妻の工房でステンドを学んでいる方)

(2017.2.17 記)

 

No.180 幼稚園のパネル「光に向かう子ら」~その2「片面終える」

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パネルの片面ができた。

ステンドは何百年も持つそうだ。

大規模な改築修繕の行われた幼稚園もこれから50年はもつだろう。

50年後、その頃私は・・・

とても生きていない。

すると妻が言った。

この幼稚園の子どもたちがまだ元気よ。

なるほど・・・そうだね。

  

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※ペーストをぬる前にケイム(鉛線)を磨く作業

 

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※ハンダ付けの作業

 

妻は、

作品を子どもたちに見てもらえるのが嬉しいと言う。

片面ができて、

妻とのやりとりから

「光に向かう子ら」の

妻の未来への思いを知った。

(2017.1.25 記)