心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.230  「木の灯り」(其の29)~ 日本青年館ホールホームページ

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「ホームページの主催者様へ」にある楽屋廊下の紹介

この度新日本青年館ホールのホームページが

新しくなりました。       

妻と私はこれまで何度となく日本青年館ホールにお邪魔し

役員の方はじめ職員の皆様にお会いしてきましたが、

いつもお客様を大事にされていらっしゃることを

強く感じてきました。

そんなお客様を大切にされていることの伝わる

ホームページです。

 

下記ご参照ください。

主催者様へ | 青年館ホール

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ホームページリニューアルに向けて

妻は日本青年館ホールからプロフィール用写真を求められ

困っていました。

意を決して、表参道のそれ用の写真屋さんに行きました。

帰って来た妻は気分が高揚し若返っていました。

その時撮った写真はもっと若返っていました。

驚きました。

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(2018.10.28 記)

No.229 3つの「星つむぐ灯り」~ご結婚おめでとう

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ひとつはお相手の方のご両親のもとに

ひとつは亡きお父様も含めてご自分の両親に

そしてひとつはお二人の手元に

 

まもなく、お式の始まりでしょうか

ご結婚おめでとうございます

3つの「星つむぐ灯り」

結婚式のサプライズになるといいですね

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ご依頼者の故郷にそびえる鳥海山。一昨年春妻が訪れた際撮った一枚。今頃、鳥海山が挙式と披露宴を見守ってくれているのでしょう。 

 

ひと月半前、ご依頼のお嬢様がわが家に来られ、

妻に作品のモチーフのことを話されました。

また秋田の鳥海山の麓で生まれ育たれたとのこと。

妻も2年前に「木の灯り」取材で鳥海山を訪れているので

二人の話はそのことで盛り上がりをみせていました。

モチーフの考え方やその準備も何ともしっかりしたお嬢様で

若いのに、と妻と感心してしまいました。

 

以下青文字はご依頼者本人からいただいた文章です。

作品のモチーフが色々あって統一感がないかもしれないと感じるかもしれないので参考にして頂けたらなと思います💡
モチーフは両親と田舎の思い出とこれからの自分たちに繋いで行くというような気持ちで考えたものです。
先日もお話ししましたが、一昨年父が他界してから改めて親の有難さ、自分を育んでくれた田舎の自然の尊さなどを表現してもらいたいなと思って選んだものです。

 

「糸」の歌→父の葬儀で、生前の写真紹介の際に流れていたものです。
人は出会いがあれば必ず別れもありますが、色んな人との出会いで自分の糸は誰かの糸に編まれていって自分がいなくなっても編まれたことはなくならないし、他の人がいなくなっても自分の中に編まれたその人の証はなくなることはありません。それらの意思や想いを後世に伝えられるような生き方をして行ければいいなという思いから自分が今生きていられる事をご先祖様に感謝して出会った縁を大切にしていきたい気持ちからこの歌詞をお願いしました。

 

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鳥海山と月→スーパームーンの日に父と母が家の裏の畑まで行って見に行ったという思い出があるそうです。
父にしてはロマンチックなことをしたものだと嬉しそうに母親が話すので、父と母のようにいつまでも仲のいい夫婦になれたらという想いから選びました🌙

ネコ→お互い猫好きなのと両親も猫を子供のように可愛がっているので、ネコが取り持つ夫婦円満のシンボルとして選びました🐈

 

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お猪口と徳利→こちらは主人のご両親ですが、2人の共通の楽しみがお酒だそうでケンカしても仲直りは乾杯でという意味で仲良く月見で一杯しながら🍻

 

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稲穂→子供の頃からずっと父が作る米を食べて育ちました。
東京に来てお米を買わずに食べられる有難さを知りました🍚

アカショウビン→父の生前、家の前にケガをしたアカショウビンが落ちていて父と母が介抱したという思い出があり、父が亡くなったあと実家の側で鳴いていたそうで鳥嫌いな母の気を引くためだったのかなと父の化身のように思っています🐤

 

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星座→星が好きということもありますが星座というご提案にして頂いたことでより運命的な意味を持ったことと時には星、鳥になった父が空の上から2人の星座を見守ってほしいなという想いから🌌

 

妻の作品作りを通して

あなたたちお二人の門出にふれることができました。

嬉しく、また誇りに思います。

妻と、今何時?

式、間もなくね…

親戚のような不思議な臨場感を味わっています。

 

改めまして、

ご結婚、おめでとうございます。

お二人ともお忙しいから身体に気を付けてくださいね。

そして私の淹れた珈琲で良かったら

またお二人でいらして飲んでくださいね。 

(お二人のご結婚の佳き日に 2018.10.23 記)

 

追伸

式後にご連絡をいただきました。

サプライズ、うまくいったとのことで、

妻と喜び合いました。

お母さんがランプを点けて寝たら

お父さんの夢をみるかもととても喜んでくれたとのこと。

お父さんも会場にいて

見ててくれていたに違いないと思われたこと。

これらのお知らせが、どうしてこんなに嬉しいのでしょうか。

 

「嫁にください」と言ってきた男は

猟銃で撃つと言ってたお父さんでしたよね。

冬には猟銃で猟をされていたお父さんですから、

ただの脅しには聞こえないし、

リアリティありすぎますよね。

それなのに、旦那さん、すごいですね。

めがねにかなったいい旦那さんで、

お父さんもきっと喜んでいますよ。

二人の幸せを見守っていますよ。

(2018.10.25 記)

No.228 宵待草の灯り~月夜にうさぎ二羽

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 ウサギ2羽

何を見ているのでしょうか

何を思うのでしょうか

 

 

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私には、宵待草(いわゆる待宵草)と言えば、

先ず「待てど暮らせど来ぬ人を…」の竹久夢二の歌です。

夕暮れ時に黄色い花を開き、

夜に咲き続け、朝にはしぼむこの花の儚さを

しみじみ感じさせる歌です。

野外で見つけたときの待宵草は、

私の中に抒情豊かなメロディーとともに夢二の詩が流れて、

ちょっぴりもの悲しい気分にさせる不思議な花です。

 

 

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 ところが、妻の作ったこの「宵待草の灯り」、

月と宵待草とうさぎからは、

儚さやるせなさは感じられません。

その理由はうさぎ2羽とその佇まいのようです。

寄りそった2羽には幸せな空気が流れています。

聞けば、結婚記念にとご依頼された作品のデザインを

もとにして作られたとのこと。

なるほど!

納得です。

幸せな、満ち足りた空気感の宵待草です。

これはこれで、いいものですね。

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ご結婚記念用にとご依頼くださったお二人に、

作品を通して作り手の思いを届けたのでしょうね。

いろいろなことはあるでしょうが、

末永くお幸せにとの作り手の思いです。

 

ところで、今日24日は中秋の名月

見られるといいですね。

 

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  この作品を展示中の保育園

妻はかつてお世話になった保育園に

季節感を味わえるように作品を月ごと替えながら

展示させていただいています。

この作品は9月展示用に作りました。

いつも園の玄関に妻の作品が引き立つように、

作品世界を演出してくださって感謝しています。

先日撮影のために一時引き取りに伺いましたら、

作品の周りには季節の元気な栗が添えられていました。

このような展示を10年以上続けてくださっています。

展示をして観ていいただけることがまた、

作り手としての妻の励みです。

本当に感謝しております。

(2018.9.24 記)

No.227  隠れ家カフェ「 ローズ亭」ふたつの灯り~ローズと翡翠(ひすい)

 

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 「ローズ」~ローズ亭の薔薇文様の灯り

 

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翡翠(ひすい)」~ローズ亭の薔薇の灯り

 

垣根に沿った道からは

つい見落としてしまいそう

ここは隠れ家カフェ『ローズ亭』

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一杯の珈琲を口にするだけなのに

店主のお人柄が醸す店内の雰囲気に

じんわり感じる居心地良さ

忙しいときほど行きたくなる極上のカフェ「ローズ亭」

“心を亡くすと書いて忙しい”なら

珈琲飲んで

亡くした心をとりもどしているんだね

私の大好きな隠れ家カフェ「ローズ亭」 

 

 

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 みどりさんの育てられた「ローズ亭」のお庭の薔薇

 

「ローズ亭」店主みどりさんご依頼のふたつの灯りを

お納めしました。

妻へのご依頼に、

みどりさん、

『私の注文は後でいいから…』

そんな言葉につい、甘えてしまい、

1年と少しお待ちいただいてしまいました。

私の大好きなローズ亭に

妻の作品をお納めできて

私も幸せ。

二つのうち「ローズ」は

家紋も入れ、ご自宅用とのことです。

   

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「ローズ」のピース

 

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翡翠」のピース

 

お納めしたときに

二つの作品を店内に置いて撮影させていただきました。 

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庭の薔薇を臨む窓側に置いたときの「ローズ」

 

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テーブルに置いたときの「翡翠

シャッターを押していると、

みどりさんやお客様に

かわいがってもらってね。

そんな気持ちになりました。

(2018.9.14 記) 

No.226 檀(まゆみ)の灯り~まゆみちゃん、3さい

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まゆみちゃんが 生まれ、

この子が3さいになったらこの子の灯りを。

そうお願いされ…

もう、まゆみちゃんは、3さい。

お約束の「檀(まゆみ)の灯り」ができました。

お披露目とお渡しに、

お母さんとお兄ちゃんとまゆみちゃんが、

訪ねてこられました。

 

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まゆみちゃんの名前は木の檀(まゆみ)からとのこと。

かわいい花や実をつけます。

 

そこに、

まゆみちゃんの

お気に入りのぬいぐるみのブタさんも

いっしょに灯りの中。

まゆみちゃんのお兄ちゃんの描いた

かわいいブタさんが

硝子彫刻されました。

 

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灯りの右上に

小さなテントウムシ2ひき。

見えますでしょうか。

まゆみちゃんの好きなテントウムシです。

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七宝窯で、

硝子を何度も焼いて作りました。

試作を重ねていたら、

あらら、

テントウムシ

あふれてしまいました。

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翌日の

まゆみちゃんの

お母さんからの言葉です。

 

『昨日のステンドグラスのお披露目は、

 私にとっては

 何だか出産にも近い喜びがあり、

 今もその大切な瞬間を思い、

 今もあたたかく、

 幸せが続いています。 …

 

    家族の幸せを噛み締めることのできた

 大事なステンドグラスとなりました。…』
 

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 妻には身に余る言葉です。

 こちらこそ作らせていただきまして

 ありがとうございました。

(2018.8.19 記)

 

追伸

私には忘れられない出来事です。

 妻の作って出したババロア
 どうしても食べようとしないまゆみちゃんに、
 お兄ちゃんが美味しそうに食べ、
 まゆみちゃんのお口にも一さじ。
 お兄ちゃん、ニコ。
 まゆみちゃんもニコッ
 そして、美味しそうに食べるまゆみちゃん。
 ほんのちょっとした出来事。
 私には忘れられない出来事。

こんなこと、あるんですね。 

No.225 インディアンの祈り

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今、この瞬間、

一人の人間でどうなるものでもない…

大自然の前の人間の無力さ。

大洪水で壊れゆく人間の営みが

テレビ画面に流れました。

七夕の頃、過去に例を見ない集中豪雨に襲われた西日本。

その広島県内にある福山市のお店にお納めする作品を

妻はその時に作っていました。

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先週ようやくご注文の作品数点を作り終えて発送しました。

作品はいずれもアメリカインディアンのモチーフ。

笛を吹くと大地を草花が芽吹いて被い、

生き物には命の誕生をもたらすという豊穣の神ココペリ。

それに太陽神のサンフェイス。

こちらは幸福と豊かさと強さの象徴。

 

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妻はご注文のピュアドールオリジナルデザインの他に、

そのデザインを模した作品も作り、

発送する箱の中に入れました。

そうしましたら、

受け取ったお店が、妻の願いを理解して、

こんな紹介をして下さいました。

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押し寄せる大洪水に人はなすすべもない…

それでも人は抗う…

祈ることができます。

ココペリもサンフェイスも

インディアンの祈り

 

7年前の東日本大震災の惨状と日常生活の激変では、

妻は作品をしばらく作れなくなりました。

 

ココペリとサンフェイスの作品を

どんな気持ちで作ったのででしょうか。

祈りなのでしょうか。

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祈りは人を動かす…

そんな気がします。

 

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※作品送付先について

 インディアンジュエリー専門店「ピュアドール」

 アメリカに直接仕入れに行くなど本物で良いものを

 積極的に取り揃えている専門店です。

 突然の作品ご依頼を受けてからもう5年です。

 楽天出店など通販にも力を入れているお店です。

 

台風12号が本州に迫っています。

進路に西日本が入っています。

あまりの被害に復興もままならない状態の中、

再びの被害がないことを祈っています。

 

(2018.7.28 記) 

 

 

No.224 おおましこの灯り

f:id:you3113:20180710070210j:plain『おおましこ』は、寒くなった頃に見られる野鳥。

森や林の周辺などで「ピイーッ ピイーッ」と

短い声で鳴くそうです。

 

メスとオスは向かい合う面で…

ご依頼のお二人のご要望でした。

加えて、奥様から

オスを少し大きめに…

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これまで私の聞いたことのない『おおましこ』ですが、

ご主人のお友だちの方が撮影した写真を

見せて下さいました。 

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愛くるしい姿。

何とも言えないピンクっぽい赤。

妻はその色を出したいと必死の硝子選び。 

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ご夫妻のご依頼の最初の声は、

月を見る2羽のうさぎ。

 

満月は黄色にもできますとの妻の言葉に、

ご主人は、

青の配色で…

 

それが、

うさぎと月の2面における統一感を醸し、

味わい深い青の静けさを楽しめるものとなりました。

 

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右上隅の天使はサプライズ!?

妻に言われてから、気づきました。 確かに天使が…

私が知らないで撮影し、

入ってしまいました。 

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偶然とは言え、 

私の気持ちに他なりません。

我が家に2度訪れた際に、

お二人のこれまでの人生に

ほんの少しだけふれさせていただきました。

二人で共に生きることを決められたお二人の

幸せを心から願う私の気持ちです。

これからのお二人の人生が

天使にいつも見守られていますように…

(2018.7.15 記)