心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

うさぎ

No.270 古希に一歩「3作品貸し出し」

宮沢賢治「星めぐりの歌」から「瞬き(またたき)」(2019年) 春5月 古希を迎えた。 妻が元気でステンドを作っているのが 嬉しい。 20年前はステンドに興味もなかった私が 今は 灯りをともしていいなあ… そう思うようになった。 そんな妻の作品を お金の負…

No.265 桜うさぎ~祈り

それでも 桜は咲き始めました。 春が 来たのですね。 さくらさくら さくらさくら 万の死者 (岩手県 桃心地さん) 東日本大震災1年後の夕刊で 私はこの句をたまたま目にしました。 詠み手の思い その言葉の力に 私のこころはふるえがとまりませんでした。 作…

No.264 小さなパネル「雪うさぎ~春をむかえに」

まっしろな どこまで いっても まっしろな… いっても いっても まっしろな… あ… かすかな はるの におい 「春のにおい」 雪国から東京に出て 何年が経ったでしょうか。 畑のひろがる郊外の春めいた昼下がり、 田舎で暮らしていた頃感じたあのにおいを 私は突…

No.242 陽春の候~水仙

今日仕事から帰ったら 妻が できたあ! 見たら おーっ、水仙! 春の訪れを伝える水仙 横で輝くフリーモントの硝子が 陽春のあたたかさをいっそう感じさせます 「陽春の候~水仙」は 春のあたたかさ (2019.4. 6 記)

No.234 森の灯り~冬

登場人物:兎 狐 栗鼠 オコジョ 木 (言葉のないほうが楽しんでいただけるかなあ…) 「美術作品と言葉」 私は小さい頃から絵を描くのが苦手でした。 青空のつもりが、今にも土砂降りになりそうな空となり、 自分の絵を見て泣きたくなりました。 工作の仕上げに…

No.232 いつの間にか気づいたアンティーク硝子の素晴らしさ

「雪うさぎ」 アンティーク硝子ってすごいですねえ 一枚の透明のブルーのアンティーク硝子に 彫って生まれた白いうさぎと白い雪と白い樹 透明なアンティーク硝子1枚から すべての物語が生まれるのです アンティーク硝子は、昔からの宙吹き製法によって作られ…

No.229 3つの「星つむぐ灯り」~ご結婚おめでとう

ひとつはお相手の方のご両親のもとに ひとつは亡きお父様も含めてご自分の両親に そしてひとつはお二人の手元に まもなく、お式の始まりでしょうか ご結婚おめでとうございます 3つの「星つむぐ灯り」 結婚式のサプライズになるといいですね ご依頼者の故郷…

No.228 宵待草の灯り~月夜にうさぎ二羽

ウサギ2羽 何を見ているのでしょうか 何を思うのでしょうか 私には、宵待草(いわゆる待宵草)と言えば、 先ず「待てど暮らせど来ぬ人を…」の竹久夢二の歌です。 夕暮れ時に黄色い花を開き、 夜に咲き続け、朝にはしぼむこの花の儚さを しみじみ感じさせる歌…

No.224 おおましこの灯り

『おおましこ』は、寒くなった頃に見られる野鳥。 森や林の周辺などで「ピイーッ ピイーッ」と 短い声で鳴くそうです。 メスとオスは向かい合う面で… ご依頼のお二人のご要望でした。 加えて、奥様から オスを少し大きめに… これまで私の聞いたことのない『…

No.216 森のかたらい 

春は まだかな。 雪に てんてんと続く うさぎの足あとの その先は きっと 春だよ。 オコジョも 焦がれる 春だよ。 節分草が 真っ先に 顔出すよ。 シマエナガも イチゲ咲く 春を 想って ちょろちょろしてるよ。 春… 春を 呼び合う 森の 語らい こころ あった…

No.209 春を待つうさぎ

都内に4年ぶりの大雪が舞った。 まだその被害に大騒ぎしている日の朝刊コラムに こんな言葉が紹介された。 雪 いとど深し / 花 いよよ近し このコラムニスト、 いいなあと思った。 雪で毎日悩まされ続けているのに、 少し心が明るくなった。 作者は柳宗悦(…

No.189 日本青年館ホールの「木の灯り」(其の15)~「桜の灯り」完成

桜前線北上。 北国からの桜の便りに、 妻と見た桜がなつかしく思い出されます。 9年前の4月19日、 仕事の合間をぬって私の田舎に帰省する途中、 角館で桜を見ることができました。 ※妻が撮った9年前の写真 例年より10日以上早い桜開花でした。 前々から角館…

No.179ご成人内祝い~うさぎのお祝い皿

今まで我が家にお母様や妹さん家族と ご一緒に来られて妻の作品をご覧になり、 何度かご注文を頂くことのあった方からのご依頼でした。 お嬢様の成人を祝ってくださる方への内祝い用との ことでした。 お嬢様の成人式を心待ちにされていたのでしょうね。 十…

No.170 上村松篁のあの「月夜」~やっと完成!

かすかな割れた線、見えますでしょうか。 あっ、やっぱり、 上部にはっきり、見えますね。 この作品、 完成が近づいていたのに 真っ二つでした。 その後、予定通り絵付けなどを施し、 完成となりました。 10年前の妻なら ここまで至ったのかあ・・・ 割れたとき…

No.163 上村松篁の「月夜」にこがれて

※右は日本画家上村松篁の作品『月夜』(昭和14年)。 左は彫りをわずかに残した妻の作品。制作途中。 上村松篁「月夜」に焦がれ、 硝子の世界で近づきたかったのか、 妻はこの作品に挑戦していた。 完成にはもう少しだった。 終盤の絵付け中の窯の中で、 作品…

No.153 吉祥寺Paleんtte(パレント)~春のフェア前日

前日の22日は朝から妻と作品搬入の準備。 窓を開けたら、 すぐ近くの林からウグイスの鳴き声。 このウグイスも春先は、“ホー、ホケホケホケー” おやおや今年も、新人さんがデビューしたんだね-。 などと思っていたら、 もう“ホーホケキョ”です。 ウグイスの…

No146 雪うさぎシリーズ

雪のガラスの雪うさぎアロマランプ(2015年) 2010年2月 もうすぐ春というのに大雪の日 銀世界は うさぎが好きで 冬のうさぎを思案していた妻に 雪うさぎを連れてきてくれました 以来妻は 雪うさぎの作品をつくり続けています 昨年も 今年も ご依頼等で根強…

No.145 『菖蒲を愛でる』(2011年作品)に寄せて~『求めない』(加島祥造著)

求めないーー すると いまじゅうぶんに持っていると気づく 求めない ーー すると それでも案外 生きてゆけると知る 求めない ーー すると 改めて 人間は求めるものだ と知る (加島祥造著『求めない』より) 妻は、 孫と一緒に菖蒲で有名な公園に行った。 孫…

No.142 吉祥寺Paleんtte~クリスマスフェア出品

住みたい街1位の吉祥寺。 駅前、商店街、通り道、 人、人、人のうず。 さすが吉祥(きっしょう)! お寺のお蔭と思ったら 吉祥寺というお寺はないという。 吉祥寺駅から西にのびた中道通り ほどなく黄色い看板「麦わら帽子」を過ぎると 右にブティックPaleん…

No.137 秋のうさぎのお祝いランプ

お母様へのサプライズのプレゼントにと ご依頼を受けてつくった作品です。 私には、 ご自分の母親の還暦をお祝いしたいお嬢さまの心が 導いてできた作品に見えます。 妻は、 お嬢さまと作品づくりの打ち合わせを重ねました。 その様はお祝いのお気持ちを共に…

No.121 ローザロッサ(川越) ステンドグラスフェア 7.24&25

川越の素敵なブティックが妻の作品を取扱ってくださることになりました。 吉祥寺のパレントさん、広島のピュアドールさん(他に岡山店、楽天店有り)に続いて、 3店舗目になります。 お店は川越駅前八幡通りのローザロッサさんです。 川越は蔵の街として有名で…

No.108 クリスマスツリー『かしのき』

妻が、 どうしてもクリスマスまでにつくりたい、 そう言っていた作品ができました。 作品名を聞いたら、 「かしのきのクリスマスツリー」って。 えー? 作品名に、自分がお世話になっている保育園の名前! 今までにない名前の付け方です。 妻は、保育園のた…

No.106 X’masがやってきました! 『森の聖夜Ⅱ~街へ』

今年も森にクリスマスの夜がやってきました。 うさぎさんたちは穴から出てきて遠くの街を眺めています。 教会からキャロルがかすかに聞こえてきます。 今年はうさぎさんたちにお友だちがたくさんできました。 森にも、そして街にもね。。。 みんなに幸せなク…

No.105 雪うさぎのアロマランプ

2010年、妻は「雪うさぎ」を制作しました。 (参照 2010年制作「雪うさぎ」http://bit.ly/1vxTXSC) 後ろ姿のうさぎ、そこに続く足跡は思いのほか反響を呼びました。 その後「雪うさぎ」はシリーズでつくってきましたが、 今回は小さなアロマランプにして仕…

No 89 森のうさぎ 

妻の作品では、あまりない色合いです。 こういうのがあってもいいと思うのですが。 落ち着きますよね。 「森のうさぎ」... 森かあ... そう思い、カメラと「森のうさぎ」を抱えて裏山に行きました。 適当な場所に着くと、なんとまあ、おあつらえ向きの切り株…

No.73 うさぎシリーズのミニランプ&個展のお礼

妻が個展のためにつくったミニランプです。 「雪うさぎ」と「森に佇む」 会場に二つ並べて飾りました。 個展が終わった。 翌日、妻の目覚めは1時半。 もちろん、昼過ぎ。 怒涛の一週間。 詳しくは一か月半か。 妻は「今年一年間!」と言うだろう。 ともあれ…

No.68 うさぎシリーズ

「秋~森に佇む~」 妻の作品にはうさぎがよく見られます。モチーフの中心だったり、片隅にこっそりだったり。妻はうさぎシリーズと言っています。そして「これはね、うさぎさんがね・・・」と何やら楽しそうでその物語は尽きません。「えーっ、これもうさぎシ…

No.59 雪うさぎ

街には春が訪れてきましたが、森はまだ一面真っ白な雪に埋もれています。澄みきった青空、柔らかな陽射しのもと、うさぎは元気に雪山を跳ねて回ります。 りすは秋に埋めておいたどんぐりを一生懸命に掘り出しています。木々や草もちょこっとずつ顔を見せてい…

No.56 お誕生記念ランプ~桜・うさぎ

野の花洋燈「節分草と東一華の灯かり」をご覧になった方が無事出産を終えられた奥様へのプレゼントにと同様の灯りをご依頼くださいました。モチーフはご要望により、桜とうさぎにしました。 ご依頼主様は「夜中の授乳時にこの灯りがあるといいと思って」とお…

No.54 花野原~南国の花~

吉祥寺Pleんtte(パレント)さんでの展示中のこと、 「花野原」をご覧になっている方が、「フィリピンで暮らしている息子に、これ、いいな」穏やかにそうおっしゃって、ご注文されました。妻が、「色とか、デザインに、何かご注文はございますか」と尋ねると「…