心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

和風

No.201 北斎富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」

「あのう…これでしょうか…」 今までにはないご依頼内容で… 私も本当に驚きました。 妻への作品制作依頼は北斎の富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」 ご主人の大好きな絵だそうです。 新居は年明けに完成していたのに こちらの都合で伺ったのは夏になってしまいま…

No.200 「木の灯り」(其の25)~「山桜の灯り」 キューバに渡る

この夏キューバに渡った「木の灯り」シリーズ見本作品「山桜の灯り」 今日も暑くなりそうねと交わす人混みをすり抜け、 下北沢駅近くの開店間もない喫茶店に二人で入った。 まだひと気のない店内。私は大学時代のグリー仲間に、 彼が欲しいと言った「木の灯…

No.193 日本青年館ホールの木の灯り(其の19)~「楢の灯り」完成

今回の写真は新進気鋭の若手カメラマンによるものです。 カメラマンへの撮影依頼は、 11月発行を目指して製作に取りかかっている 「木の灯り」作品集の編集・製作者からのアドバイスでした。 確かにプロは違うものだと感心しました。 各種機材を抱え、重装備…

No.192 日本青年館ホールの木の灯り(其の18)~落とし文(おとしぶみ)

山道に転がる虫の丸めた葉。 落とし文(おとしぶみ)と言う。 あなたへの 想いここにも 落とし文 小池 森 忘れようとしても忘れられない どれほどの想いなのでしょうか。 道ばたの“落とし文”にまた想いが湧き上がるのでしょうか。 この句は、大学時代からの…

No.190 日本青年館ホールの木の灯り(其の16)~「橡(とち)の灯り」完成

まったく、豆太ほど おくびょうな やつは ない。 もう五つにもなったんだから、よなかに ひとりで セッチンぐらいに いけたっていい。 ところが 豆太は、セッチンは おもてにあるし、 おもてには 大きな モチモチの木が つったっていて、 空いっぱいの かみ…

No.189 日本青年館ホールの「木の灯り」(其の15)~「桜の灯り」完成

桜前線北上。 北国からの桜の便りに、 妻と見た桜がなつかしく思い出されます。 9年前の4月19日、 仕事の合間をぬって私の田舎に帰省する途中、 角館で桜を見ることができました。 ※妻が撮った9年前の写真 例年より10日以上早い桜開花でした。 前々から角館…

No.188 日本青年館ホールの木の灯り(其の14)~「栗の灯り」完成

しんとした雪夜に来客が帰る。 残されたいろりの熾火(おきび)に 勢いよく息を吹きかける。 灰色がかった炭がぽーと勢いを増して燃える。 赤くなって燃える。 子ども心に この熾火の不思議さを 炭のほてりを感じながら 見る。 数十年経て 私は「栗の灯り」…

No.187 日本青年館ホールの木の灯り(其の13)~「杉の灯り」完成

杉の林・・・ 近くにひっそりとオコジョ・・・ 雪にかくれるような白い毛布で身を包む・・・ 菊の冠を載せたような野鳥キクイタダキ・・・ 樹上に小さな杉の実・・・ 根元にヤマユリ・・・ 「杉の灯り」が完成した。 どこか遠くにやさしく心誘われる雰囲気が…

No.184 日本青年館ホールの木の灯り(其の12)~「欅の灯り」完成

※左面:春 右面:冬 私には身近過ぎるように思える欅だが、 ひと冬前に始まった欅とのふれあいに、 妻は何を感じたのだろうか。 欅のすべての始まりは冬。 欅の古木の穴に宿るスズメ。 春を焦がれる実生(みしょう)を宿す欅。 木枯らしにゆれる小枝にも、 …

No.183 日本青年館ホールの木の灯り(其の11)~「桂の灯り」完成

妻と1年前の冬に「とおの木」探しをした。 桂の木は近所にはないと思っていた。 春になって、妻がここにも、あそこにもと 近所の街路樹3カ所で桂の木を見つけた。 案外身近に見られる木だと知った。 丸い小さなハート型の可愛いらしい葉が特徴。 色づいた秋…

No.181 日本青年館ホールの木の灯り(其の10)~「松の灯り」完成

生まれたばかりの松ぼっくりを食べるリス かさの大きく開いた松ぼっくり ピンととんがった松葉 花粉をつけた松の花 そして見守る松の樹皮 何度も何度も 樹木にふれ・・・ 息づかいを感じ・・・ ようやく灯りになりました 日本青年館ホール11種の木の灯りに込…

No.179ご成人内祝い~うさぎのお祝い皿

今まで我が家にお母様や妹さん家族と ご一緒に来られて妻の作品をご覧になり、 何度かご注文を頂くことのあった方からのご依頼でした。 お嬢様の成人を祝ってくださる方への内祝い用との ことでした。 お嬢様の成人式を心待ちにされていたのでしょうね。 十…

No.177 とお-あまり-ひとつ(11)の木の灯り~その9「橅(ブナ)加わる」

日本青年館ホールのとお(10)の木の灯りに ブナが追加されました。 これで妻の作る灯りは とお-あまり-ひとつ(11)となりました。 ブナは妻の大好きな樹木です。 毎年家族みんなで帰省したとき、 好んで泊まったのは田沢湖高原のブナ林に囲まれた宿。 6年…

No.176『花影』に想う~“盗ってねえべ”と母

(2008年制作 ユザワヤ創作大賞金賞受賞) 妻の作った「花影」。 桜咲くその裏に見えるは 障子と妻は言う。 私はその障子のほのかな灯りが好きだ。 心が安まるのだ。 心が温かくなるような気がする。 それは子どものころ遊び疲れて家に帰る時、 まだ遠くに見…

No.170 上村松篁のあの「月夜」~やっと完成!

かすかな割れた線、見えますでしょうか。 あっ、やっぱり、 上部にはっきり、見えますね。 この作品、 完成が近づいていたのに 真っ二つでした。 その後、予定通り絵付けなどを施し、 完成となりました。 10年前の妻なら ここまで至ったのかあ・・・ 割れたとき…

No.150 とお(10)の木のあかり~その2「檜山路にて」

とても美味しくいただきました。「檜山路の灯り」宅にて(2月末) ご依頼の演奏会ホール楽屋の木のあかり10種は 桂、桐、栗、欅、山桜、杉、栃、小楢、朴、赤松。 木について教えていただきたく、 山林を所有される檜山路のお宅にお邪魔しました。 お宅の庭、…

No.148 蓮と牡丹のお灯明

頼まれてつくったお灯明 2つ並べて思った 今は亡き義母のつくった木目込み雛人形も 一緒に並べよう おばあちゃん どう? 並べたら お灯明と人形は まるで 昔からそうしているようだった 妻の母は30年間木目込み人形の講師を続けられた 作品には 凛とした優雅…

No.147 とお(10)の木のあかり~その1

顔?「冬の木の芽」です。(かがくのとも絵本) 10種類の日本の木で作られた楽屋のドア横に それぞれ10のステンドグラスの灯りをつくって欲しい。 自らもチェロを奏で合奏を楽しまれるホール代表からの 妻へのご依頼でした。 内外のアーティストに 日本の文…

No.145 『菖蒲を愛でる』(2011年作品)に寄せて~『求めない』(加島祥造著)

求めないーー すると いまじゅうぶんに持っていると気づく 求めない ーー すると それでも案外 生きてゆけると知る 求めない ーー すると 改めて 人間は求めるものだ と知る (加島祥造著『求めない』より) 妻は、 孫と一緒に菖蒲で有名な公園に行った。 孫…

No.136 薄墨薔薇文様のアロマランプ

2年前、 和歌山にお家を建てられる方からのご依頼を受け、 妻と二人で和歌山取材巡り。 紀ノ川、粉河寺、紀三井寺、みかん畑等々。 高野山に足をのばし奥の院、御影堂、霊宝館等々。 妻は 高野山天野社の舞楽装束の美しい刺繍、 水干や括袴の刺繍の薔薇文様…

No.131 新生 『紀の川~薔薇文様の行灯』  

◇両側面が薄墨色の薔薇文様に変わりました。 街の喫茶店 COFFEE SHOP 白樺さんの店長さんから、 市民文化祭への出展をご依頼されました。 大きな会場なので、出展作品は 「紀の川~薔薇文様の行灯」に決めました。 それから、急展開! 「紀の川」は制作され…

No.122 檜山路の灯り(その3)~完成

「檜山路の灯り」が完成しました。 妻の作業ノートには、 全部で663ピース、340時間と記されています。 妻の心のノートには、 日の出町の自然と生き物とイカルの声、 愛犬のももとかんべえ。 それにご依頼主ご夫妻のやさしい笑顔が記されているのでしょう。 …

No 99 秋の七草ミニランプ

ようやくさわやかな秋の風。 今頃、秩父は・・・ この時期、妻と秋の七草寺めぐりをよくしました。 桔梗の多宝寺、藤袴の法善寺、萩の洞昌院・・・ それぞれの開花のいい時期に見たくて、 同じ年に2度たずねたこともありました。 草花が大好きな妻は、 秩父に行く…

No 88 紀の川~薔薇文様の小さな行灯

妻はpaleんtte(パレント)の*あとりえ悠*フェアに向けて 「紀の川」の第3弾として「薔薇紋様の小さな行灯」をつくりました。 一作目のパネル、2作目の行灯に比べて、全体的にサイズは小さくなりましたが、 佇まい、雰囲気はやっぱり「紀の川」です。 1つず…

No.78 新春の息吹き~椿の灯り

新しい年が明けました。 妻のつくった「椿の灯り」は新年を嫁ぎ先で迎えました。 個展の時にご購入下さった方はとても大事にかわいがってくれています。 妻が他のご依頼の相談に訪れた際、「椿の灯り」の写真を撮ってきてくれました。 幸せそうに見えます。 …

NO.53 花 影

どんなことがあっても、また新たに再生できる…冬を越えて一気に咲き誇る桜を見ると、その生命の瑞々しさ、躍動感に励まされます。私は桜が大好きです。桜の季節には様々な思い出や、心に蘇るシーンが数え切れないほどあります。桜をテーマにした小作品をいく…

No.46 雪輪桜Ⅰ~Ⅲ

お正月に見た『和の職人展』で江戸小紋の美しさ、中でも『雪輪』に魅せられてしまいました。それからずっと雪輪に桜と麻の葉をモチーフにした行灯を作りたい…と思っていました。 雪輪桜Ⅰ ラインの美しいクリアガラスと和紙のような風合いをもつヤカゲニーの…

No.35 椿の灯り

2010年のお正月、一念発起して絵付けの講習会に行きました。ご縁のある八田大輔先生の三日間の講習でした。椿を描きました。「このデザインでガラスを組んでみてもいいですね。」という先生の言葉に「作ってみます!」とお返事しました。 それから1年後、八…

No.28 錦 秋

一昨年の秋に初孫が誕生しました。 命名に因んだ紅葉(もみじ)を見るとそれまで以上に綺麗に輝いて見えるようになりました。そして「もみじでいっぱいの灯りをつくりたい」と思いました。 67枚のもみじの葉に加えて大好きな麻の葉模様をあしらいました。 麻…

No.23 秋の七草のアロマランプ

萩が花 尾花 葛花 撫子の花女郎花(おみなえし) また藤袴 朝貌(あさがお)の花… 山上憶良 『万葉集』にうたわれている七草です。あさがおの花は今日の桔梗だそうです。 ステンドグラスができなかった時期が3年ほどありました。3年前の秋、保養のため夫に…