心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

注文制作

No.189 日本青年館ホールの「木の灯り」(其の15)~「桜の灯り」完成

桜前線北上。 北国からの桜の便りに、 妻と見た桜がなつかしく思い出されます。 9年前の4月19日、 仕事の合間をぬって私の田舎に帰省する途中、 角館で桜を見ることができました。 ※妻が撮った9年前の写真 例年より10日以上早い桜開花でした。 前々から角館…

No.188 日本青年館ホールの木の灯り(其の14)~「栗の灯り」完成

しんとした雪夜に来客が帰る。 残されたいろりの熾火(おきび)に 勢いよく息を吹きかける。 灰色がかった炭がぽーと勢いを増して燃える。 赤くなって燃える。 子ども心に この熾火の不思議さを 炭のほてりを感じながら 見る。 数十年経て 私は「栗の灯り」…

No.187 日本青年館ホールの木の灯り(其の13)~「杉の灯り」完成

杉の林・・・ 近くにひっそりとオコジョ・・・ 雪にかくれるような白い毛布で身を包む・・・ 菊の冠を載せたような野鳥キクイタダキ・・・ 樹上に小さな杉の実・・・ 根元にヤマユリ・・・ 「杉の灯り」が完成した。 どこか遠くにやさしく心誘われる雰囲気が…

No.185 幼稚園のパネル「光に向かう子ら」~その4「子どもたちへ」

パネルが完成して窓枠にはめられた後、 園の子どもたちへのお話の機会を頂きました。 「ガラスはお天気や時間によっても見え方がかわるし、 皆さんが見るときの気持ちによってもかわるかもしれません。 楽しいときには楽しく見えて、 悲しいときには泣きなが…

No.184 日本青年館ホールの木の灯り(其の12)~「欅の灯り」完成

※左面:春 右面:冬 私には身近過ぎるように思える欅だが、 ひと冬前に始まった欅とのふれあいに、 妻は何を感じたのだろうか。 欅のすべての始まりは冬。 欅の古木の穴に宿るスズメ。 春を焦がれる実生(みしょう)を宿す欅。 木枯らしにゆれる小枝にも、 …

No.183 日本青年館ホールの木の灯り(其の11)~「桂の灯り」完成

妻と1年前の冬に「とおの木」探しをした。 桂の木は近所にはないと思っていた。 春になって、妻がここにも、あそこにもと 近所の街路樹3カ所で桂の木を見つけた。 案外身近に見られる木だと知った。 丸い小さなハート型の可愛いらしい葉が特徴。 色づいた秋…

No.182 幼稚園のパネル「光に向かう子ら」~その3「完成」

無邪気なかわいらしさ。 妻の作品には今までなかった雰囲気です。 園との図案のやりとりで生まれたからでしょうか。 ようやく残りの右片面も2週間前に完成しました。 2面併せて、82cmx153cmのサイズ。 これまでこのサイズのご依頼は、 大きいから無理と大手…

No.181 日本青年館ホールの木の灯り(其の10)~「松の灯り」完成

生まれたばかりの松ぼっくりを食べるリス かさの大きく開いた松ぼっくり ピンととんがった松葉 花粉をつけた松の花 そして見守る松の樹皮 何度も何度も 樹木にふれ・・・ 息づかいを感じ・・・ ようやく灯りになりました 日本青年館ホール11種の木の灯りに込…

No.180 幼稚園のパネル「光に向かう子ら」~その2「片面終える」

パネルの片面ができた。 ステンドは何百年も持つそうだ。 大規模な改築修繕の行われた幼稚園もこれから50年はもつだろう。 50年後、その頃私は・・・ とても生きていない。 すると妻が言った。 この幼稚園の子どもたちがまだ元気よ。 なるほど・・・そうだね…

No.178 幼稚園のパネル「光に向かう子ら(仮題)」~その1「下絵完成」

※幼稚園取材時、手を繋ぐ子らの撮影をさせてもらいました。 幼稚園の窓の制作, 決まったのは11月。 日本青年館ホールの11個の灯り納入が6月。 その他新築される方からやお取扱いのお店からのご注文品、 成人式の内祝い、初節句のご依頼等々 諸々立て込んだ厳…

No.177 とお-あまり-ひとつ(11)の木の灯り~その9「橅(ブナ)加わる」

日本青年館ホールのとお(10)の木の灯りに ブナが追加されました。 これで妻の作る灯りは とお-あまり-ひとつ(11)となりました。 ブナは妻の大好きな樹木です。 毎年家族みんなで帰省したとき、 好んで泊まったのは田沢湖高原のブナ林に囲まれた宿。 6年…

No.172 とお(10)の木の灯り~紅葉

(青年館ホール側と打合せの為に持ち出した制作途中の「栗の灯り」) 先週末、妻のステンドづくりのため 樹木の紅葉調査に二人で私の故郷秋田をたずねました。 妻は、この2月から青年館ホールの灯りのために とお(10)の樹木を追い続け調べていますが、 そ…

No.167 白いフクシアのランプ

吉祥寺のパレントさんのお客さまの ご依頼で作ったこのランプ、 デザインが今までと少し違ったように見えた。 並外れた美的感覚と豊かな経験をお持ちのご依頼主様との やりとりから生まれたとのこと。 フクシアは『貴婦人の耳飾り』と呼ばれる可憐な花。 で…

No.160 バラのフロアランプとその制作過程

お納めに伺い、予定の場所に置いて灯りをいれる。 すると前からそこにあったような気がしてくる。 初めてお納めしたのにそう思えてくるから不思議だ。 お納めした帰りの車中。 不思議ね。 妻もうなずいた。 お納め終えた妻の安堵感が伝わってきた。 今回のご…

No.157 とお(10)の木の灯り~その4「鳥海山麓『あがりこ大王』の地を訪ねて」

『あがりこ大王』は 鳥海山麓の湿原奥にある奇怪なブナの巨木。 その場に立って、 この奇怪こそ、 人を惹きつけるのだと思った。 (奇怪な樹形は多い。) ご案内の森林組合長さんは、 木の根元で、 木を指さしながら 木の話をしてくださった。 炭焼き用に切…

No.154 とお(10)の木のあかり~その3「観察&試作」

「とおの木」は妻がご依頼受けた伝統ある演奏会ホールに 納める10作品の灯りに指定された樹木。 桂、桐、栗、欅、山桜、杉、栃、小楢、朴、赤松の10種。 (「山桜」の試作 2016年4月) 街路樹の育った葉 ハートだ! これも桂の木! 「とおの木」のうちの多く…

No.150 とお(10)の木のあかり~その2「檜山路にて」

とても美味しくいただきました。「檜山路の灯り」宅にて(2月末) ご依頼の演奏会ホール楽屋の木のあかり10種は 桂、桐、栗、欅、山桜、杉、栃、小楢、朴、赤松。 木について教えていただきたく、 山林を所有される檜山路のお宅にお邪魔しました。 お宅の庭、…

No.148 蓮と牡丹のお灯明

頼まれてつくったお灯明 2つ並べて思った 今は亡き義母のつくった木目込み雛人形も 一緒に並べよう おばあちゃん どう? 並べたら お灯明と人形は まるで 昔からそうしているようだった 妻の母は30年間木目込み人形の講師を続けられた 作品には 凛とした優雅…

No.147 とお(10)の木のあかり~その1

顔?「冬の木の芽」です。(かがくのとも絵本) 10種類の日本の木で作られた楽屋のドア横に それぞれ10のステンドグラスの灯りをつくって欲しい。 自らもチェロを奏で合奏を楽しまれるホール代表からの 妻へのご依頼でした。 内外のアーティストに 日本の文…

No146 雪うさぎシリーズ

雪のガラスの雪うさぎアロマランプ(2015年) 2010年2月 もうすぐ春というのに大雪の日 銀世界は うさぎが好きで 冬のうさぎを思案していた妻に 雪うさぎを連れてきてくれました 以来妻は 雪うさぎの作品をつくり続けています 昨年も 今年も ご依頼等で根強…

No144 迎春 福寿草のアロマランプ~紅

妻の体調があまりよくない頃、 二人で秩父によく行きました。 四季折々の秩父の自然にふれていると 不思議と元気になりました。 もう8、9年になるでしょうか、 妻と早春の秩父に福寿草を見ようと 出かけました。 斜面いっぱいの福寿草は 春を呼ぶ生命力に満…

No.138 福寿草のアロマランプ~雪

寒のゆるみはじめた 白い山肌に 福寿草の芽。 もう、春。 じんわり温まるのは、 こころなんだね。 (妻と秩父によく行きました。 体調があまり良くない頃、 妻は秩父の自然と草花に慰められ、 また、元気をもらいました。) 吉祥寺のブティック「パレント」…

No.137 秋のうさぎのお祝いランプ

お母様へのサプライズのプレゼントにと ご依頼を受けてつくった作品です。 私には、 ご自分の母親の還暦をお祝いしたいお嬢さまの心が 導いてできた作品に見えます。 妻は、 お嬢さまと作品づくりの打ち合わせを重ねました。 その様はお祝いのお気持ちを共に…

No.129 赤い金魚のアロマランプ

♬ 赤いべべ着た かわいい金魚 おめめをさませば ごちそうするぞ ♬ 赤い金魚は あぶくをひとつ ひるねうとうと 夢からさめた (「金魚のひるね」作詞 鹿島鳴秋) 従妹のご結婚祝いにとご依頼を受けたのは、 金魚のアロマランプ。 妻の金魚をモチーフにした作…

No.128 テレイドスコープ

妻のテレイドスコープをご注文くださった方から、 お電話をいただいた。 届いたので早速のぞいて見られたとのこと。 その世界の美しさに昂奮する程の感激を覚えたと お話くださった。 1平方センチメートルに満たない小さな覗き穴の先、 鏡と水晶玉のつくり…

No.126 鷺草のパネル~まなざし

お父様が大事に育てられた鉢植えのサギソウ。 そのサギソウを真ん中に お父様とお嬢様の並んだ一枚の写真。 今は亡き父親の深いまなざしが 私にはまぶしかった。 そのまなざしに満ちているのは 愛(いつく)しみではないか。 写真のお嬢様が、 やがて私たち…

No.123 檜山路の灯り(その4)~愛犬かんべえ

檜山路のご夫妻が 保健所からレスキューした保護団体より譲り受けたかんべえは やがて散歩の良き友となった。 可愛がってくれたご主人様のお誕生日の日、 かんべえは亡くなった。 また、妻がかんべえの面を制作していた日だった。 檜山路のご主人様の翌朝の…

No.122 檜山路の灯り(その3)~完成

「檜山路の灯り」が完成しました。 妻の作業ノートには、 全部で663ピース、340時間と記されています。 妻の心のノートには、 日の出町の自然と生き物とイカルの声、 愛犬のももとかんべえ。 それにご依頼主ご夫妻のやさしい笑顔が記されているのでしょう。 …

No.119 続 「檜山路」考 

【制作過程1 お宅を訪ねる】 【制作過程2 周辺を見てまわる】 前回のブログで、妻の作品名「檜山路」について 中西悟堂の歌集「檜山路」の題名から感じたことを述べたところ、 「檜山路」に住まわれているご依頼主様から お便りをいただきました。 一読し…

No.118 『檜山路(ひやまじ)』考

(制作途中の『檜山路の灯り』) 『檜山路』・・・ 良い作品名をいただいたなあ。 しみじみ思う。 屋号檜山路のご依頼主の奥さまが、 こんな歌集が・・・と 中西悟堂著『檜山路』を提示してくださって 妻のステンドグラスの作品名は決定的になった。 ところで、情…