心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.16 ひまわり畑にて~季節のうさぎシリーズ⑨盛夏~

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こんなにまぶしい夏の光を見たのはいつぶりかしら…
はるかちゃんの悲しいお話を思い出すけど
ひまわりは元気をくれる花なんだね。
素敵な色だなぁ。。。

 

ずいぶん前からひまわりのモチーフで作品を作りたいと思っていました。              デザインにおこすのが難しくて長い時間を経ましたが、
うさぎシリーズとしてこの年やっと手がけることができました。

 

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ステンドグラスのひまわりの図柄はティファニータッチを模して作製しました。
サイドの丸いピースは黄色の被せガラスを初めての浮き彫りにしました。

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長方形のピースとナギットとを組み合わせることで個性を出すことができました。
小さなうさぎはグリーンオパックの被せガラスを沈め彫りにしました。
メインにせずに木陰で涼んでいるイメージで片隅にそっとしのばせました。

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これまでの私の作品にはあまりない明るい色使いをしましたが、
ビタミンカラーは製作していて、元気をもらえました。
夏の灯りですが、暑苦しくなくて爽やかな表情を出してくれるランプができました。

        写真&文  2010.08  ステンドグラス *あとりえ 悠*

*参考書籍*
 ・花百科(講談社)NO.23ひまわりと真夏の花
 ・A touch of THFFANY by Patrice Lampton

 

~はるかちゃんにまつわる私の思い出~

 

何年か前の現職時代のことです。

「これは神戸から新潟に渡り、新潟地震被災者を励ましたひまわりのタネだよ」

そう言われてもらったひと包みのタネ。

子どもたちにタネのいわれについて話し、校門横に植えました。

暑い夏が来て、やがてタネは大きな花を咲かせました。

はるかちゃんに想いを寄せ、そしてひまわりの生命力に感激したこと

今でも忘れられません。

 

妻のひまわりのステンドを見ても

ひまわりは、明るく、元気に、

そう願ってしまいます。

 

   ー補足ー 「はるかのひまわり」について

1995年1月の阪神淡路大震災で小学校6年生のはるかちゃんが亡くなりました。

その夏、空き地になったはるかちゃんの亡くなった場所から

無数のひまわりが芽を出し、多くの花を咲かせました。

母親は「娘のはるかがひまわりになって帰って来た」と涙し、

近所の人々は「はるかのひまわり」と呼びました。

そのひまわりのタネは、震災で失った生命の尊さと人の絆の象徴として

人から人に伝わるようになりました。

                 2012.8.4記 

 

  2012.8.23 以下追記

「8月19日(日)毎日新聞朝刊社会面掲載」より 

石巻・大川小>6種のヒマワリになり「6人が帰ってきた」の記事紹介

「はるかちゃん」を思い出して二重に胸に迫る

東日本大震災関連の「今年も咲いた6種のヒマワリ」の記事でした。

読んでいただけたら嬉しいです。

記事はこちらでご覧になれます。

http://mainichi.jp/select/news/20120819k0000e040137000c.html