毎年お盆に、夫の実家に帰省すると小屋の脇の大きな木から綺麗なオレンジ色の花が咲きこぼれていました。義姉に「ノウゼンカズラ」だと教わりました。
高いところから咲き降りるので夏空と一緒に見上げる橙の花と濃い緑の葉がなんとも美しくて大好きな花になりました。
故郷の夏の花として心に刻まれました。
まぶしく煌めく青空と夏の陽射しをいっぱいに受けて咲き誇る大輪の美しい花と艶やかで力強い葉を表そうと試みた作品です。
ブラスト彫刻とステンドグラスとどちらの良さも表現したくて何度もデザインを校正し、ガラス選びや色、彫りにも試行錯誤を重ねました。
炎天下でのスケッチに耐えかねて苗を入手しました。想いのほか花やつぼみがついていて喜びました。このモチーフはこれからも作品に生かしていきたいので大切にします。
使用ガラスと彫り 茶色の白被せ(フィッシャー・独)沈め彫り
モスグリーン(フィッシャー・独)沈め彫り
セレニウムイエロー被せ(サンゴバン・仏)段彫り
レッドonイエロー被せ(サンゴバン・仏)沈め彫り・ぼかし
その他 オセアナ・ウロボロス・ブルザイ・ヤカゲニー(ステンドグラス用板ガラス)
写真&文(2012.9) ステンドグラス*あとりえ 悠*
~硝子彫刻展出展作品その2~
まだ暑い日が続きますね。
私の勤務(嘱託)先近くのお宅にこの凌霄花が今も綺麗に咲いています。
先日あんまり綺麗で立ち止まってしまいました。歩き始めたのですが、また見たいと思いました。
しかし、戻らずに、スマホで妻のステンドの作品(凌霄花)を見ました。
「作品の花の色合い、いい色合いだったんですね」
実際の凌霄花と比べるように見て、初めて知りました。
いいガラスに巡り合える。ステンドグラスをつくる者にとって大きな喜びです。
そういえば、このガラスを家に持ち帰った時、
「これで凌霄花を早くつくりたい」と、妻は興奮していました。
「凌霄花の灯り」を出展した第6回硝子彫刻展は9月10日に終了しました。昨年より入場者数もかなり増え、大盛況とのことでした。なお、期間中に昨年度の大賞、優秀賞の授与式がありましたが、妻は入場者による作家の人気投票第1位ということで優秀賞をいただきました。ありがたいことですが、修行中の妻には過ぎた評価で申し訳なく恐縮しております。
ご多忙のなか会場にお越し下さった方々に心より感謝申し上げます。
2012.9.15記