心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.30 森の聖夜

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雪が降り積もった森にクリスマスの夜がやってきました。

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サンタさんを乗せたそりの鈴の音が森に響き、
うさぎさんたちが穴から出てきてトナカイの行方を見つめています。
素敵なプレゼントが届くといいですね。

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初めて作品の中に動物をモチーフに入れてデザインしました。
二面を合わせて見ると、うさぎさんたちがサンタさんを見ているようにしています。


★図柄の樹木・サンタ・トナカイはZONART&KAMIKAのクリスマスカードを参考★

写真&文(2007)ステンドグラス*あとりえ 悠*

 

    「再び歩み始めた頃」 

 

この作品は妻がステンドを再開した年の暮、ユザワヤSNS(以下フレンドクラブ)のWebコンテストに発表したものです。幸いにも最優秀賞を受賞し、その時担当者からインタビューを受けました。以下その内容です。(抜粋)

Q:
ブルーを主体に聖夜をイメージしたステンドグラスの作品は、どのようにして生まれたのですか?
A:
フレンドクラブへの入会とステンドグラス製作を再開するきっかけになったのが「青い藤」の灯りでした。雪の結晶を作品のモチーフに考えていましたので、それとブルーが結びつきました。

Q:
雪の結晶とブルーの調和とがこの作品の魅力なんですね。では苦労したところはどこですか?
A:
締め切りに間に合わない!材料がそろわない!うさぎさんの絵がうまく描けない!雪の結晶が下絵通りに切り抜けない!・・・あわてたことばかりでした(笑)

Q:
印象に残る雪の結晶が生まれるには、こんな苦労があったのですね。では、作品のポイントとその理由を教えて下さい。
A:
秋からフレンドクラブでは数多くの素晴らしい作品と作者さんに出会ってきましたが、中でも可愛いものをモチーフにした作品世界にたいへん魅力を感じていました。クリスマス作品はフレンドクラブで頂いたものを生かして、感謝の気持ちで作りたいと思っていました。森の中でサンタクロースとトナカイを見ているうさぎさんは、自分や家族、フレンドクラブのお友達、ひいては全ての人々・生き物をイメージしています。クリスマスのプレゼントが皆に届きますよう・・・という願いを込めました。

Q:
最後に手作りに関する今後の目標をお聞かせ下さい。
A:
これからも丁寧に自分らしいステンドグラス作品を製作していけたらと思っています。そしてそれらの作品を通じて、これからもフレンドクラブの方々とあたたかい交流ができたらうれしいと思います。

Q:
今後の作品にも、大いに期待しています。ありがとうございました!

 


この時期の妻の様子を思い出します。

妻は作品を仕上げては、夜遅く、サイトにアップしていました。
起きては真っ先にパソコンを覗いていました。
ステンドをつくり、投稿し、フレンドクラブの方々とやりとりをして、そして、また次の作品構想を練る。その繰り返しでした。夢中でした。
再開当初、私は妻がもうできないと言っていたステンドを今つくっている、明日もつくれたらどんなにいいだろう、そんな思いでした。

 

それがいつのまにか、ご依頼を受けては生き生きと元気にステンドをつくるようになっています。
この当時のフレンドクラブの皆さんの後押しがあって歩み始めたと思っています。

フレンドクラブの皆様には今でも支えていただいております。
感謝しています。

 2012.11.25 記