岩手にお住いの妻の従姉が何十年も大事に使ってこられたランプシェードは
東日本大震災でガラス部分のベースだけが残りました。
そのベースを生かしたいと思われた従姉は、
ステンドをつくっている妻を思い出したとのこと。
学生時代に一度だけ会ったことのある従姉、
その従姉とともに長い時を歩んできたランプのベースに
妻は大きな何かを感じていたようです。
そしてベースに導かれるように、このらんぷが仕上がりました。
点灯してみると、らんぷの放つ赤みがかった彩光がなんとも言えません。
使ったガラスは妻の好きなネオジウム。
ネオジウムは光源によって色相を変えます。
試しに光源を白色LEDにかえてみました。
すると、とたんに青一面の穏やかな静けさの世界。
おー、なんと。驚きです!
妻と「それなら」とこのベースについていた二股ソケットに
電球色のナツメ球と白色LEDの2種類を差し込みました。
ナツメ球の時は赤く、プルスイッチを引くと青色に。
青色のらんぷの時にプルスイッチを引くと赤いらんぷに。
妻と「これはすごい。すごい」とプルスイッチを何度も引きました。
スイッチ一つで色相がこんなに変わるなんて・・・
こんな楽しみ方があるなんて思いもしませんでした。
堪能です。
それにしても二股ソケットってすごい!
この発見ができたのは、このベースに出会えたからです。
(撮影は25W電球を使用)
今回のこのらんぷを岩手県に住む従姉に二人でお届けしました。
従姉もらんぷのプルスイッチを何度も引いて、
その変化を楽しんでくれました。
~お届け余話~
作品を届けた従姉の家では妻の父方の「いとこ会」になった。
「こんなに大勢が」と妻にはサプライズの「いとこ会」。
集まった6人は親兄弟姉妹の話題で盛り上がった。
妻はこれまで知らなかった父の一面を知り、目頭をぬぐった。
会うことのなかったいとこと会えた感激もあるのだろう。
つながる人々のいる温もりはいいもんだ。
私は申し訳ないと思いながら抱えきれないほどの有難さを一日中感じた。
集まった中でいとこの健さんは写真コンクール入賞歴のある方で、
見せてもらった一枚に私は「静けさと温もりの薔薇」の作品イメージと重なった。
岩手山を背にした一本桜は人の心を静かに穏やかにさせる。
静けさだ。
そこで健さんにその写真のブログ掲載の了解を求めた。
快く認めてくれた。
いとこはいいもんだ。
またまたお世話になってしまいました。
撮影 藤江健一氏
(2014.6.27 記)