妻のサギソウの作品がようやく出来上がり、
第八回硝子彫刻展に出品しました。
その作品解説カードです。
~鷺草乃原~
この春、世田谷九品仏の奥沢城跡にある浄真寺の鷺草(サギソウ)伝説を知りました。
以前、箱根で初めてサギソウを見てその魅力に惹かれましたが、伝説にあった常盤姫とそこにまつわるサギソウの悲しい話が心いっぱいにひろがり作品のモチーフにしてみたいと思いました。
サギソウを見ようと、8月上旬と中旬に浄真寺を訪れました。
下旬には昭和記念公園に行きました。
ちょうど見頃で、花壇や鉢植えでたくさんのサギソウが見事に咲いているのを見て感動しました。
もっとも心を奪われたのは花木園前水鳥の池デッキから見た風景です。
サギソウが禊萩(ミソハギ)や葦の中に自然に咲いている様は、湿原に白い鷺が舞っているようでした。
ミソハギの花の紫と草の緑の中に浮かぶような真っ白なサギソウ…この印象の一片でも表せたらと思いました。
サギソウの一羽一羽(一輪一輪)異なる表情の花や、すらりとした緑の葉に魅せられながら描き、彫りました。
*使用ガラスと彫り
・緑と黄色とブルーのストリーキーの被せ(サンゴバン・仏)
・・・サギソウ/花は白く沈めて、他の部分は段彫りやぼかし。ミソハギ/段彫り
・パープルの白被せガラス(ランバーツ・独)・・・ミソハギ/沈め彫り
その他 フリーモント・サンゴバン・ウロボロス・ブルザイなどのステンドグラス 用板ガラスで爽やかな風が通り抜ける、サギソウとミソハギの咲く湿原のイメージを表現しました。
*大きさ 縦40cm x 横51cm
(2014.10.6 ステンドグラス*あとりえ悠* )
(8.20浄真寺)
訪れたら、白いサギソウと赤いトンボ。
濃淡織り成す草木の緑。
都会の中で時間を忘れさせてくれます。
白く輝くサギソウ
ゆらめいて支える葉
草地の緑にたなびく黄色
こういう三様の微妙に交り合う空気感も
いいなあと思います。
(8.23立川昭和記念公園)
一生忘れられないでしょう。
公園について入口のサギソウを見て、即妻は捻挫。
しかもひどく。
その後園内のサギソウは車椅子でめぐった。
写真右上は妻が利用した車椅子。
記念公園のサギソウの見事さ、恐るべしです。
妻は段差が眼中にないほどサギソウに心奪われたみたい。
今回のモチーフのサギソウをグラスにも彫りました。
この一か月半はサギソウ中心の制作になりました。妻の移動は車椅子、松葉杖、ステッキと変わってきました。大分よくなりましたが、外歩きはまだ怖いとステッキは離せないようです。
今までいろいろご心配をおかけしました。
もう大丈夫・・・
となるように願ってます。
(2014.10.9 記)
【第八回硝子彫刻展】http://j-sandblast.com/index.php
2014年10月7日(火)〜10月12日(日)11:00~18:30(最終日は14:00終了)
オッとブログが100回目でした。
よくこんなに続いたものです。
妻とささやかな祝杯をあげました。
皆さまにも感謝申し上げます。