心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.123 檜山路の灯り(その4)~愛犬かんべえ

 

 

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檜山路のご夫妻が

保健所からレスキューした保護団体より譲り受けたかんべえは

やがて散歩の良き友となった。

 

可愛がってくれたご主人様のお誕生日の日、

かんべえは亡くなった。

また、妻がかんべえの面を制作していた日だった。

 

檜山路のご主人様の翌朝のメールの書き出しは、

言葉少ない朝の散歩・・・

その後にかんべえの悲しい知らせが続いた。

 

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妻も衝撃を受けたが、

檜山路のご主人様の“今度生まれるときは人間”の言葉に

救われたようだった。

 

「檜山路の灯り」のかんべえは

四肢を踏ん張り、凛として、

ご夫妻と過ごした「檜山路」と呼ばれる家宅を

これからも守り続ける・・・

私の眼にはそんな姿に焼き付いた。

 

実は、「檜山路の灯り」を見ると、

なぜか私はフォーレのレクイエムを聴きたくなる。

仕事に忙しい時だったが、どうしても歌いたくて、

市の記念合同演奏会に参加させて頂いて歌ったことのある、

私の大好きな曲だ。

♪彼らに安息を♬

♬私を解き放ってください♫

静かに静かに繰り返される。

この曲はレクイエムにあるべき「死の恐怖」が

描かれてないと作られた当時非難されたらしい。

確かに全編静かで、時に優しさは切なくさえある。

静かであるが、内面に迫る。

静かであるから、より迫るように思う。

かんべえの姿、命を慈しまれるご夫妻の想い、

愛しんだ命がフォーレの音楽とともにひろがる。

♪彼らに安息を♬

♪彼らに安息を♬

♬私を解き放ってください♫

♬私を解き放ってください♫

繰り返し、静かに静かに響いてくる。

(2015.7.8 記)

 

《追記》 

このブログアップの為に檜山路のご主人様に連絡を取った際、

かんべえについてふれられた部分がありました。

ご夫妻のかんべえへの想いに、読んだ私も妻も

思わず心熱くなりました。

転載のお願いをいたしました。

以下その文章です。

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 7月24日が、早いもので四十九日です。

現在、私はかんベえの記と題するアルバムを作っています。

モモは14年と1か月我が家で過ごしましたので、

家族の心の中にしっかりと姿が焼き付いています。

でも、かんべえは8か月と8日しか居ませんでした。

記憶が薄れ、忘れ去られないように、

檜山路の灯リの中の姿と一緒に、我が家で生き、

終の棲家であった証を残してやりたいのです。

それが、

かんベえからたくさんの喜びをもらった私たち夫婦が、

かんベえにしてやれることだと思っています。

 

(2015.7.8 記)