心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.143 天使~神は細部に宿る

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妻は個展後、

オーダーを受けた作品を何種類か忙しくつくっていた。

あれっと目をとめた。

 

天使かあ。

なつかしい。

天使、いいよねえ。

 

このところだんだんと妻へのご依頼は

灯りやパネル等大きめのものが増えているので

天使のかわいらしさが新鮮に見える。

 

天使は6年前につくりだして、

4年前の個展にはたくさんつくった。

 

アンティークやきれいな色のガラスを使い、

全て手作りでつくられた作品の温かさを

多くの人に届けたいと思ってのことだった。

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簡単なつくりに見える天使だが、

小さなガラスピースを曲線でつくり、

それに銅箔まいて、ハンダでくっつけ、

更に手にはそれぞれの天使に合うものを持たせるなど

やりにくくて面倒な細かい作業が続く。

 

知り合いのステンドグラス作家が

私なら絶対つくらないと

強く言っていたのが印象的だった。

 

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この天使に持たせるのは、これ、どう?

妻は聞いてくるが、

私はそのくらいどうでもいいように思うこともあった。

そんな時でも、

妻は一人一人の天使に語りかけるようにして

つくっていた。

 

いつの間にか

「雪の天使」「空の天使」「野原の天使」

などそれぞれに名前がついていた。

 

妻のひたすらつくる様子を見ていて

“神は細部に宿る”というのなら

この天使に

神が宿るだろうと思った。

 

(2015.12.25)