求めないーー
すると
いまじゅうぶんに持っていると気づく
求めない ーー
すると
それでも案外
生きてゆけると知る
求めない ーー
すると
改めて
人間は求めるものだ
と知る
(加島祥造著『求めない』より)
妻は、
孫と一緒に菖蒲で有名な公園に行った。
孫と菖蒲を見・・・
そして疲れた孫を背負って帰った。
加島祥造は、同著で述べる。
“求める”と“奪う”
“互いをいかす”
それは“与えあう”ことだと。
妻と孫、
求めず、
何を与えあったのだろうか。
想像しても
私には妻と孫の笑顔しか
浮かばない。
※菖蒲の作品をつくりたいと言っていた妻。
なかなかつくれないまま何年も過ぎた。
孫が生まれ、孫と一緒に菖蒲を見て・・・
一気にこの『菖蒲を愛でる』ができた。
加島祥造氏の訃報を新聞で見つけ、
妻ともショックを受けた。
加島氏の住む伊那谷に行って見たいね。
今まで妻と何度もそう言ってきた・・・
妻は加島氏のご子息と中学の学友で、
伊那谷の様子を教えていただいていた。
私たちには気になる伊那谷だった。
また、
加島祥造氏の著書を通して、
私は老子の世界に誘われ、
人を見つめる言葉に出会った。
あらためて加島祥造氏に感謝するとともに
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
合掌
(2016.1.10 記)