心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.145 『菖蒲を愛でる』(2011年作品)に寄せて~『求めない』(加島祥造著)

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求めないーー

すると

いまじゅうぶんに持っていると気づく

 

 

求めない ーー

すると

それでも案外

生きてゆけると知る

 

 

求めない ーー

すると

改めて

人間は求めるものだ

と知る

加島祥造著『求めない』より)

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妻は、

孫と一緒に菖蒲で有名な公園に行った。

孫と菖蒲を見・・・

そして疲れた孫を背負って帰った。

 

加島祥造は、同著で述べる。

“求める”と“奪う”

 “互いをいかす”

それは“与えあう”ことだと。

 

妻と孫、

求めず、

何を与えあったのだろうか。

 

想像しても

私には妻と孫の笑顔しか

浮かばない。

 

 

※菖蒲の作品をつくりたいと言っていた妻。

 なかなかつくれないまま何年も過ぎた。

 孫が生まれ、孫と一緒に菖蒲を見て・・・

 

 一気にこの『菖蒲を愛でる』ができた。

 

 

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加島祥造氏の訃報を新聞で見つけ、

妻ともショックを受けた。

加島氏の住む伊那谷に行って見たいね。

今まで妻と何度もそう言ってきた・・・

 

妻は加島氏のご子息と中学の学友で、

伊那谷の様子を教えていただいていた。

私たちには気になる伊那谷だった。

 

また、

加島祥造氏の著書を通して、

私は老子の世界に誘われ、

人を見つめる言葉に出会った。

 

あらためて加島祥造氏に感謝するとともに

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

合掌

(2016.1.10 記)