心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.173 おじちゃんに捧ぐ~胡蝶蘭の灯明

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妻を可愛がってくれたおじちゃんの四十九日が近づく。

作りたい、ただ作りたいと、

妻はこのお灯明を作りました。

 

妻から聞いたおじちゃんとの話です。

おじちゃんは自社ブランドのバッグをデパートにも卸していました。

妻が中学生になった時のこと、

おじちゃんは絵の具代がないならと

自社ブランドのバッグを1個500円で12個渡して、

妻に友達に売るといいよと言ってくれたとのこと。

破格の安さだったのか、あっという間に全部売れたらしい。

妻の差し出した12個分の6千円を見て、おじちゃんは、

ゆうこちゃんは大きくなったら商売しないほうがいいよ。

そう言って、笑いながら、

その6千円を絵の具の道具代にしなさい、

とくれたとのこと。

妻は当時を振り返っては、

売り上げで儲けを出すことが想像もできなかった

自分の愚かさと

いつも親身に応援してくれたおじちゃんへの感謝の気持ちで

いっぱいになるようです。

 

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お葬式会場の遺影は

参列したみんなを温かく包むような笑顔のおじちゃんでした。

やさしく、すてきななおじちゃんでした。

だから、みんな悲しくなりました。

 

おじちゃんのお葬式のあと、

作りたいと言って出来た作品です。

灯りをともすと、

オレンジ色をおびた胡蝶蘭

どうしても、おじちゃんを感じてしまいます。

 

おじちゃんに応援されて、

妻はステンドを作っています。

おじちゃんにお礼のステンドグラスの灯りができました。

おじちゃん、本当にありがとうございます。

 

(2016.11.5  記)

 

追伸

今日は、お墓への納骨でした。

おじちゃんとおばちゃんが4年前にお墓を作るときに、

二人で考えられた言葉とのこと。

本当におじちゃんおばちゃんらしい言葉でした。

ー思いやりー

聞き慣れた言葉なのに、

ずしんと重く響きます・・・

今、おじちゃんがおもいやりなのです。

 

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 (2016.11.6  追記)