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心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.188 日本青年館の木の灯り(其の14)~「栗の灯り」完成

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しんとした雪夜に来客が帰る。

残されたいろりの熾火(おきび)に

勢いよく息を吹きかける。

灰色がかった炭がぽーと勢いを増して燃える。

赤くなって燃える。

子ども心に

この熾火の不思議さを

炭のほてりを感じながら

見る。

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数十年経て

私は「栗の灯り」に熾火のほてりを見る。

 

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熾火(おきび)。

堂門冬二は小説「上杉鷹山(うえすぎようざん)」で

藩政改革の志の象徴として熾火を据え、

主君、家臣、農民の織りなす物語を展開させる。

家臣が命がけで炭火の火を絶やさないよう守る行為は

今の人々にはなかなか理解しにくいだろうが、

北国の小さな村で熾火のほてりを感じて育った私には、

心憎いほどよく出来た設定に思える。

ケネディ大統領に最も尊敬する日本人と言われた上杉鷹山

論理だけで大改革など出来ないが、

鷹山だからなし得た大改革と納得する歴史小説

なっているのは熾火ゆえだと私には思える。

熾火は人々の希望だった。

 

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灯すと、息を吹きかけたように、

静かに赤く燃える「栗の灯り」。

日本青年館ホール出演者の方々に、

さらなる希望と活躍へのエネルギーを与えるだろう。

出演のアーティストを応援したい妻の思いのこもった作品、

もう間もなく、楽屋「栗」の前に灯る。

(2017.04.18 記)