山道に転がる虫の丸めた葉。
落とし文(おとしぶみ)と言う。
あなたへの 想いここにも 落とし文 小池 森
忘れようとしても忘れられない
どれほどの想いなのでしょうか。
道ばたの“落とし文”にまた想いが湧き上がるのでしょうか。
この句は、大学時代からのかけがえのない親友の急逝を
ある朝突然に知らされ、
行き場のない私の想いと重なりました。
そう妻に伝えたら、妻から
栗の灯りに“落とし文”を描いていると
教えられました。
やや 左のだらんと垂れている葉。
オトシブミという虫が丸めます。
“木の灯り”の“落とし文”
私は彼の笑顔と会えそうな気がしました。
*オトシブミの画像は東北大学生命科学研究科のサイトより拝借しました。
(2017.6.1 記)
追伸
突然逝ってしまった彼。
彼に娘が生まれたとき、
私はその娘の名前を聞き、意外さに、
えっ? と聞き返しました。
“八木重吉(詩人)の娘も同じ名前だったね”
少し照れながら教えてくれました。
その重吉の書いた詩「雨」は
男声合唱団では知らない人はいないほど有名です。
私も大学時代から何度も歌ってきました。
この詩は、
彼の生き方だったんだなあ。
あらためて「雨」を聴きたくなりました。
歌いたくもなりました。
雨 八木重吉
雨のおとが きこえる
雨がふっているのだ。
あのおとのように そっと世のために
はたらいていよう。
雨があがるように しずかに死んでゆこう。
※多くの人に、聴いて欲しい曲です。
演奏は学生時代に交流のあった合唱団です。