「あのう…これでしょうか…」
今までにはないご依頼内容で…
私も本当に驚きました。
ご主人の大好きな絵だそうです。
新居は年明けに完成していたのに
こちらの都合で伺ったのは夏になってしまいました。
ご依頼主の新居は木の香りにあふれた和風のおうち。
和室には見た事もない程手の込んだ欄間。
天井には職人さんへの特注の組子細工の灯り。
その職人さんが作った下駄箱には
妻の作る作品のためだけの位置特注のコンセント。
浮世絵のご依頼がなるほどと思える訪問でした。
長く人々に親しまれてきた著名な浮世絵を、
妻はガラスの良さを生かしながら
できる限り忠実に表現することに苦心していました。
幾重にも重なる波濤の細かいライン、海原の色具合、
トレースと試作を重ねながらの作品作りでした。
苦労しながらも、北斎の作品はすごい、すごいと
しきりに言っていました。
作品のすばらしさを自分の手で味わっているようでした。
思いもよらない作品のご依頼でしたが、
学ぶことの多い刺激的な作品作りとなったようです。
完成に至ることができたのは、
ご依頼主のご協力ご支援のお陰でもあります。
打合せのご相談や木枠及び家紋等々の情報も
仕事がしやすいようにご協力、ご提供くださいました。
特に今回ご依頼主の用意された特注の木枠は、
作った職人さんに今後こちらもお世話になりたい程でした。
またご家族にちなんだモチーフを4隅に入れました。
こういう相談の時が私は好きです。
みんな、笑顔になるからです。
また家に大事に残っていくように家紋も入れました。
※木枠は古松材を使用して建具屋さんが制作しました。
ステンドグラスで作ったものを
本当に気に入っていただけるだろうか…
お届けして、
喜んでもらえたと妻はホッとしていました。
また、カメラに詳しいご主人には、
私が直接いろいろ教わることができ、
お宅訪問はうれしい機会となりました。
今回掲載の写真4枚中3枚は
ご本人の了解を得て使用させていただきました。
ありがとうございました。
(2017.9.24 記)