中国は唐の時代。
則天武后が遊園の際、
全ての花に、“花を咲かせよ”と命じました。
みな命じられるままに花を咲かせました。
ただ牡丹だけが従いませんでした。
牡丹は女帝の怒りにふれ、
長安から追い出されました。
しかし、人々は、猛威にもめげない花と牡丹をたたえ、
一層その風格と人情のあつさと天下一の美を愛しました。
サンゴバン社のアンティーク硝子に彫った雪牡丹
牡丹に感じる品格は、
遠い昔、唐の人も感じていたのでしょうね。
そして、愛してきたのでしょう。
組み合わせる前のピース
雪牡丹は
妻の命名した作品名。
雰囲気の伝わる名前です。
この硝子に彫った雪牡丹、やっぱり素敵ですね。
同じものができないとなると、
余計にそう思うのでしょうか。
今回雪牡丹を彫った硝子は、すでに廃番になっています。
もう手に入らない稀少硝子で、
妻は大事に保管してきたものを今回使いました。。
この高価な手作りアンティーク硝子、
制作したサンゴバン社(フランス)に100枚などと
大口発注をかけたら生産してくれるのでしょうか。
まあ、それも一個人作家の範囲を超えた話ですが…
手に入らない硝子なので全く同じものは作れませんが、
唐の牡丹のように猛威にめげずに、
いつかどうにかなることを信じ続けたいものです。
(2019.2.10 記)