心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

ランプ

No.75 ココペリのまあるいランプ

ココペリはネイティブインデアンの精霊。 ココペリが笛を吹くと荒れた大地に草木が芽吹き、花が咲き、木々は生い茂り、動物たちに子どもが誕生するそうです。 妻の作品でココペリを知りました。 そこには永遠に変わらない私たち人間の願いが感じられます。 …

No.73 うさぎシリーズのミニランプ&個展のお礼

妻が個展のためにつくったミニランプです。 「雪うさぎ」と「森に佇む」 会場に二つ並べて飾りました。 個展が終わった。 翌日、妻の目覚めは1時半。 もちろん、昼過ぎ。 怒涛の一週間。 詳しくは一か月半か。 妻は「今年一年間!」と言うだろう。 ともあれ…

No.68 うさぎシリーズ

「秋~森に佇む~」 妻の作品にはうさぎがよく見られます。モチーフの中心だったり、片隅にこっそりだったり。妻はうさぎシリーズと言っています。そして「これはね、うさぎさんがね・・・」と何やら楽しそうでその物語は尽きません。「えーっ、これもうさぎシ…

No.66 レンゲショウマ(蓮華升麻)その2

7年前の夏の終わりに行った御岳山でレンゲショウマを知りました。 その盛りを過ぎ、人気のない静かな森でもひっそりと花は蕾んで咲き続けていました。 うつむいて咲く蝋細工のような美しくも可憐な花に一瞬で虜になりました。 介護による疲労での休職からよ…

No.65 レンゲショウマ(蓮華升麻)の灯り

レンゲショウマ レンゲショウマ 7年前、御岳山でレンゲショウマを見て、 妻はレンゲショウマのとりこになりました。 うっそうとした木々の根元に、点々と続く小さく白くはじけた花弁。 妻が復職したころでした。 レンゲショウマに妻は生きるエネルギーをた…

No.64 赤い葡萄の灯り

十数年前、 ステンドグラスの教室に通い始めた頃です。 葡萄の大きなランプシェードを作っていらっしゃる方がいました。 緑の葉に紫の葡萄の粒、枝の茶色とバックのベージュ色… その色合いとデザインの美しさに魅了され、 いつか, こんな素敵な葡萄のランプが…

No63 青い葡萄のパネル&灯り

昨年秋から年明けの間に製作した八ヶ岳のお住まいのためのステンドグラスの2枚目です。 お二階の洗面室に窓がなく、明かり取りのためにスリットの窓を開けました。 そこに葡萄柄のステンドグラスがほしいとのご依頼でした。 ご依頼主様は葡萄が好きな方で、葡…

No.61 コッツウォルズの蜂蜜色の家

9月1日からのグループ展のテーマが「村」になっているので、それに向けて、妻は家をつくると言いました。私が今までステンドグラスで見た家は立派なお城や邸宅で、いかにも立派ですが、心動く作品にあったことはありませんでした。 妻には「作りたい人がつく…

No.59 雪うさぎ

街には春が訪れてきましたが、森はまだ一面真っ白な雪に埋もれています。澄みきった青空、柔らかな陽射しのもと、うさぎは元気に雪山を跳ねて回ります。 りすは秋に埋めておいたどんぐりを一生懸命に掘り出しています。木々や草もちょこっとずつ顔を見せてい…

No.58 海の作品「夏色の海」・「碧生~あお」訂正版

震災のとき ちょうど海のパネルを つくっていました。 「夏色の海」 被災地のことや被災された方のことを思うと ステンドグラスをつくることに疑問を感じたり、 安穏と生活している自分に罪悪感を覚えたりして 製作を断念しそうになりました。 でも、人と自…

No.56 お誕生記念ランプ~桜・うさぎ

野の花洋燈「節分草と東一華の灯かり」をご覧になった方が無事出産を終えられた奥様へのプレゼントにと同様の灯りをご依頼くださいました。モチーフはご要望により、桜とうさぎにしました。 ご依頼主様は「夜中の授乳時にこの灯りがあるといいと思って」とお…

No.54 花野原~南国の花~

吉祥寺Pleんtte(パレント)さんでの展示中のこと、 「花野原」をご覧になっている方が、「フィリピンで暮らしている息子に、これ、いいな」穏やかにそうおっしゃって、ご注文されました。妻が、「色とか、デザインに、何かご注文はございますか」と尋ねると「…

NO.53 花 影

どんなことがあっても、また新たに再生できる…冬を越えて一気に咲き誇る桜を見ると、その生命の瑞々しさ、躍動感に励まされます。私は桜が大好きです。桜の季節には様々な思い出や、心に蘇るシーンが数え切れないほどあります。桜をテーマにした小作品をいく…

No.51 野の花洋燈「節分草・東一華」

秩父の里山が好きでよく花巡りをします。 寒さの残る雑木林に雪のように群生する可憐な節分草(セツブンソウ)。 初めて見てその可愛さの虜になりました。 同じ場所にこれもまた可愛い東一華(アズマイチゲ)という花が咲きます。 大好きなこの早春の二つの…

No.49 白いドレスのランプ

何気なく最近の作品を並べて見たらカチカチした作品が多いな~(^^;)…と感じました。(※この文は2009年作成のものです)昨年は(も)修行の一年でしたので「きちんと作ろう!」の一心からそんな作品ばかり多くなっていました。 我ながらちょっと…(-_-;)と思い…

No.47 お花見ねんね

“ねんね”はご依頼主様の飼われている猫の名前。 何とも愛くるしい猫。 妻はガラスを彫って、これらのモチーフの表情をステンドグラス作品にしてきました。 ご依頼主様は長く食育研究に携わり、執筆出版もされている方です。イラストもご自分で描かれています…

No.46 雪輪桜Ⅰ~Ⅲ

お正月に見た『和の職人展』で江戸小紋の美しさ、中でも『雪輪』に魅せられてしまいました。それからずっと雪輪に桜と麻の葉をモチーフにした行灯を作りたい…と思っていました。 雪輪桜Ⅰ ラインの美しいクリアガラスと和紙のような風合いをもつヤカゲニーの…

No.45 桜うさぎ

里山に 春が やってきました。白い花、黄色い花、青い花が咲いて待ちに待った 桜が 満開になりました。まだ少し 冷たい風の中にも やわらかな春の香りがします。 うららかな陽射しを いっぱい浴びながら、空を眺めて しばし和むことにしましょ。心も 身体も …

No.43 白樺小品展 「春に咲く」に向けて

春らしい4つのキャンドルホルダーです。 「桜とうさぎ」「アズマイチゲとセツブンソウ」「イチゴ」「蝶」 コーヒーショップ白樺での妻の小品展は3月12日から。 つくりたいと言っていた何種類かの作品ができあがりました。 ホッとしていました。仕上がるまで…

No.35 椿の灯り

2010年のお正月、一念発起して絵付けの講習会に行きました。ご縁のある八田大輔先生の三日間の講習でした。椿を描きました。「このデザインでガラスを組んでみてもいいですね。」という先生の言葉に「作ってみます!」とお返事しました。 それから1年後、八…

No.33 X'mas ツリー 雪の華

昨年12月、第2回個展のメインディスプレイ用に製作したX’masツリーです。イメージは2009年の拙作“白いドレスのランプ”のツリーバージョンです。白とクリアなガラスを中心に淡いパープル系で雪の花のようなクリスマスツリーを作りたいと思いました。型紙は市…

No32 森の聖夜Ⅲ~跳ねる~

今年も森にクリスマスの夜がやってきました。あたたかな雪がつもっています。空をかけるトナカイを見て、うさぎも元気に跳ねてみました。お友だちのリスさんはそろそろ冬の眠りにつこうとしています。春になったらまた仲良くしてね。 みんなに幸せなクリスマ…

No.30 森の聖夜

雪が降り積もった森にクリスマスの夜がやってきました。 サンタさんを乗せたそりの鈴の音が森に響き、うさぎさんたちが穴から出てきてトナカイの行方を見つめています。素敵なプレゼントが届くといいですね。 初めて作品の中に動物をモチーフに入れてデザイ…

No.28 錦 秋

一昨年の秋に初孫が誕生しました。 命名に因んだ紅葉(もみじ)を見るとそれまで以上に綺麗に輝いて見えるようになりました。そして「もみじでいっぱいの灯りをつくりたい」と思いました。 67枚のもみじの葉に加えて大好きな麻の葉模様をあしらいました。 麻…

No.27 四季のうさぎシリーズ “秋” ~森に佇む~

秋が深まって森が美しく色づいてきました。紅葉に黄葉…真っ青な空。木漏れ日がまぶしく光ります。赤く染まる森に生き物たちはの~んびりと佇んでいます。 吊り花の赤い可愛い実がぷらぷらと、うさぎを見おろしています。夏にお友だちになったりすはドングリ…

No.26 花唐草文様12面ランプ

初めて自分でデザインしたランプです。この時はまだ設計の仕方もよくわからないで、作りたい一心で亀甲のピースを作りました。 「花唐草文様」はレッドonグリーンの被せガラスに酸抜きを施して描きました。モチーフを先に決めてしまってからランプのデザイン…

No.25 ティファニーランプ

16"PANSY-パンジードーム628Pieces 1998年製作 16”PEONY-ピオニー402Pieces 1998年製作 14"GERANIUM-ゼラニウム・コーン 480 Pieces 2002年・2004年製作 写真 ステンドグラス*あとりえ 悠* ~ティファニーってすごいんですねえ~ ステンドグラス作品を紹介…

No.24 ルナのうさぎ

仏教説話に、こんな話があります。帝釈天がみすぼらしい老人の姿に身をやつして旅をしていた折、自分には老人の為に食べ物を集める能力が無いと思ったうさぎは、自ら炎の中に身を投じ、自分を食べてほしいと訴えたのでした。帝釈天はその行いに感じ入り、う…

No.23 秋の七草のアロマランプ

萩が花 尾花 葛花 撫子の花女郎花(おみなえし) また藤袴 朝貌(あさがお)の花… 山上憶良 『万葉集』にうたわれている七草です。あさがおの花は今日の桔梗だそうです。 ステンドグラスができなかった時期が3年ほどありました。3年前の秋、保養のため夫に…

No.22 凌霄花(ノウゼンカズラ)の灯り

毎年お盆に、夫の実家に帰省すると小屋の脇の大きな木から綺麗なオレンジ色の花が咲きこぼれていました。義姉に「ノウゼンカズラ」だと教わりました。 高いところから咲き降りるので夏空と一緒に見上げる橙の花と濃い緑の葉がなんとも美しくて大好きな花にな…