心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.8 続「苺の灯り」

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ご連絡したら、可愛いお嬢さまとお二人で見に来てくださいました。
七草の型とガラスで、裾はピンクで上はグリーンで、とお決めくださいました。
お母様と私とお嬢さまと3人のイメージが合わさった灯りです。
おそろいでお休みライトも作ることになりました。
すごく素敵!と感じました。

グリーンのガラスは試作で見ていただいたのではなく、
もっと美しいアンティークのアートガラスのかけらを見つけたので
きっと気に入って下さると思い、そのガラスをサプライズのつもりでつけました。
レッドonグリーンの被せガラスも赤の被せが厚くて綺麗な色のものを新しく購入し、
うれしい気持ちで一気に製作にかかりました。

 

完成して磨きも終えて、お渡しの日程を相談しようと思いながら
二日後、にんまりしながら光にかざすと、な、なんと、
お宝のグリーンガラスに筋のようなものが見えるではありませんか。
ヒビならばはんだ作業の時、磨くとき、気がつかないわけがないので
被せガラスの中のクラッケルです。
家族に見せても、どれ?と気がつかないのですが
このまま納めるわけにはいきません。

この「苺の灯り」は私のそばに置いて
新たにご依頼主さんのための「苺の灯り」をつくることにしました。

 

 

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お渡しする準備ができた時、またお二人でいらしてくださいました。
お嬢様は灯りを見るなり「わぁ、思っていた通り」と喜んでくださいました。
そしてその灯りを立ったままずっと見ていらしゃいました。
ほんとうにほっとしましたぁ。おしまい。

 

ーお渡しした灯り

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写真&文  2012.05  ステンドグラス*あとりえ 悠*

 

 

「できあがりました。」と作品を渡して

依頼主さんに喜んでもらえることが妻にとっても大きな喜びです。

妻はいつも、作品は自分でできる最高のものをと思ってつくります。

ヒビも発見できてラッキーでした。

 

作品が出来上がるまですごいプレッシャーのはずですが、

意外と集中して生き生きとやっています。

ステンドが本当に好きなんですね。

世の中にステンドがあって、妻は幸せです。

かつてつらい思いをし苦しんだ時期、

ステンドのお蔭で元気になりました。

ステンドよ、ありがとうね! です。

 

私もまた、妻のつくったステンドを身近に見ていて、

いつのまにかステンドは生活に欠かせないと思うようになりました。

大勢の人にステンドの良さを伝えたい。

そう願っています。

               2012.06.01 記