心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No 98 「サギソウ伝説」と「試し彫り」

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(2014.8.23 昭和記念公園にて)

 

サギソウ・・・

どうして植物がこんな姿になるのでしょうか。

不思議でなりません。

 

 

浄真寺にある鷺草園には

こんな「サギソウ伝説」が書かれています。

 

今から400年以上も昔、世田谷城主吉良頼康(きらよりやす)には奥沢城主大平出羽守(おおひらでわのかみ)の娘で常盤(ときわ)という美しい側室がいました。常盤姫は頼康の愛を一身に集めていましたが、それらをねたましく思った側妾たちは、つくり話によって頼康につげ口をしました。度重なるつげ口から頼康もそれを本気にして常盤姫に冷たくあたるようになりました。愛情を疑われ、悲しみにくれた姫は死を決意し、幼い頃からかわいがっていた白さぎの足に遺書を結びつけ、自分の育った奥沢城へ向けて放しました。白さぎは奥沢城の近くで狩りをしていた頼康の目にとまり、矢で射落とされてしまいました。白さぎの足に結んであった遺書を見て初めて常盤姫の無実を知りいそいで世田谷城に帰りましたが、すでに姫は息をひきとっていました。その時、白さぎの血のあとから、一本の草が生え、サギに似た白いかれんな花を咲かせました。これがサギソウと呼ばれるようになったのです。世田谷区HPより引用

 

サギソウが、私には優雅に飛ぶ鳥ではなく、

必死になって飛ぶ鳥に見えます。

サギソウ伝説」が

その意味を教えているように思いました。

 

伝説には語り継ぐ人々の思いが込められています。

道半ばに死す無念さ、

死してもなお飛び立とうとする鷺,

そこに人々の共感があるのでしょうね。

この悲話を知って,

サギソウは一層愛しいものになりました。

 

 

足を痛めた妻もようやく動けるようになりました。

サギソウの絵を何度も何度も描いて、図案を完成し

ガラスの試し彫りをしました。

前から妻に、試し彫りのサギソウを一つ欲しい、

背景は絶対青、とお願いしていました。

その試し彫りがやっとできました。

結構いい感じになりました。

 

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 (試し彫り2014.9.6)

 

 

妻の硝子彫刻展出品用はこれと違う色とデザインです。

それを見たとたん「いいね、それ。」

私にはちょっと思いつかない雰囲気。

完成まであと一か月程でしょうか。

完成が楽しみです。

 

(2014.9.7 記)

 

※ 妻の作品が完成しました。

No.100 鷺草乃原(さぎくさのはら) - 心に灯るあかり *あとりえ 悠*