一ノ関悠子第6回作品展を12月5日から10日まで
国立市駅前のコートギャラリーで行います。
よろしかったらどうぞご観覧くださいますよう
ご案内申し上げます。
「妻の個展」
最初で最後の個展だからね
妻がそう言ったのは10年前
聞いた家族はみんなで手伝った
息子も娘も
初めてだし、最後だし…
最後だからねえ…
そして
2回目も
3回目も
4回目も
5回目も
“これが最初”の言葉はなくなったが
“これが最後”と言ってきたような気がする
もうすぐ6回目の今
この間そのつぶやきを聞いた
これで最後かなあ…
やっぱり
第5回個展の玄関口
妻の
“これで最後"は
本心
いろいろな思いのなか
最後と思って頑張ってきたのだろう
最後だから
頑張れたのだろう
最後と思わなければ
できなかったのだろうか
ふと考える
私には分からない
深い井戸から汲んだ澄みきった水の冷たさは分かっても
土中の井戸の中は誰にも分からないということかも…
受付から見える展示会場
妻はいつも言う
この作品で喜んでもらえるかしら?
個展が近づくと言う
個展に来られた方が楽しんでくれるかしら?
受付前談話&パネルコーナー
妻の普段の制作活動をそばで見ていると
実に不合理で無駄が多い
なのに妻の作品を求めてくださる方が増えてきたのは
この不合理で無駄に見えるなかでの
作品作り故かも知れないと思うようになった
終了時刻の迫った展示会場
地球の片隅まで
一瞬にして情報が届く世の中で
喜んでもらえるかしらと
ひたすら祈るように作った作品を
誰かがじーっと観てくださることを想像すると
なんだか私は嬉しくなる
作品と人とが
こころやすらかに巡りあえますように…
(2019.11.4 記)