心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.217 吉祥寺Paleんtte(パレント)春のフェア 4/21&22

 

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妻と明日からの春のフェアの展示を終えて帰宅しました。

フェア開催を心待ちにしてくださる店長さんと一緒の準備は、

妻には楽しいひとときのようです。

妻は厳しいファッション業界で生きる店長さんに

気に入ってもらえる作品を作ることに結構燃えるようです。

妻はそれぞれの作品を作った時のこだわりを話しながら、

店長さんと二人で盛り上がっていました。

店長さんからは、展示は店内のいい場所をどうぞ、と言われ

申し訳ないと思いながら…写真のようになりました。

今年も。

ステンドグラスのお店みたいだけど、いいのかなあ…

どうぞということで、甘えてしまいました。

 

 

今回の春のフェアには、

妻はがんばって作った結果、

思ったよりも新しい作品を多く出品できました。

いくつか写真で紹介します。

 

1 福寿草秩父紅の灯り 

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2 薔薇文様の灯り

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3 牡丹の灯り

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  ※売約済み

4 青いイチゲの灯り 

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 5 苺の灯り 苺のお休みライト

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6 薔薇文様の灯り 

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7 葡萄栗鼠のアロマランプ 

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8 森の三月

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  ※非売品

9 紀ノ川~薔薇文様のアロマランプ

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     ※売約済み

 10 キャンドルホルダー

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11 お休みライト

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12 薔薇の小皿

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13 スワロフスキーのチャーム

 

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14 テレイドスコープ

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上のテレイドスコープで覗いて見た景色の画像 

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開催場所は吉祥寺駅北口から徒歩8分です。 

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日時は4月21日(土)22日(日)12時~19時

 

(2018.4.20 記)

No.216 森のかたらい 

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春は まだかな。

雪に てんてんと続く うさぎの足あとの

その先は きっと 春だよ。

 

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オコジョも 焦がれる 春だよ。 

節分草が 真っ先に 顔出すよ。

 

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シマエナガも 

イチゲ咲く 春を 想って

ちょろちょろしてるよ。

 

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春…

春を 呼び合う 森の 語らい

こころ あったまるよ。

 

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もうすぐ

春だねえ。

 

(2018.4.5 記)

追伸

このところ、妻の作品完成が続いて、

ブログが追いついていません。

この作品は「森の三月」として、

この3月に完成した作品ですが、

「森のかたらい」として紹介させていただきました。

 

私はこの作品を見て「雪うさぎ」を思い出しました。

「雪うさぎ」は10年程前からの妻の人気の作品です。

大きめの「雪うさぎ」をご依頼される方のお話を伺って、

当時、どうして、

ご主人を亡くした方やお嬢さんを亡くした方からの

ご依頼が続くのかと、不思議に思いました。

たまたまなのでしょうが、

雪に足跡の残すうさぎの後ろ姿に、

なくなった方の何かを感じるのかなと

思うこともありました。

今度の作品は、正面はその「雪うさぎ」ですが、

オコジョもシマエナガもいる森になりました。

深い森で、生きものたちの静かに語り合う世界を想像し、

私はなぜか嬉しくなりました。

生き合うものたちの世界です。

そして「森のかたらい」としました。

冷たい雪に被われた森の中、

生きものたちの語らいに

ほっとぬくもりは増すのでしょう。

生き合うものたちのぬくもりです。

 

No.215 吉祥寺Paleんtte(パレント) 春のフェア

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※前回8回目のパレントのフェアの展示風景

梅から辛夷 (こぶし)へ、

辛夷 (こぶし)から桜へ。

移り変わる花の話題と共に

妻とはPaleんtte(パレント)春のフェアの話題が

この時期花咲かせます。

妻は今回のフェアには新作を多く出したいと

がんばっています。

実際はオーダー作品も同時に作っているので

そんなには出せないと私は思っています。

まあ、毎日、一日中がんばって作っています。

開催日時は

4月21日(土)22日(日)12:00~19:00です。

お時間があるようでしたら、

どうぞのぞいてみてください。

妻は二日間、パレントにいるようです。

私は二日間、パレント周辺をさまよいそうです。

 

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※パレントは吉祥寺で長く続くブティック

 

パレントさん主催のステンドグラスフェアは今回で9回目。

7年前、妻の個展でキャンドルホルダーを購入された方が、

その作品を気に入ってくださり、

知人のブティックの店長さんにもあげたいからと

さらに「もう一つ」ご注文されたことがありました。

頂いた店長さんもその作品を気に入ってくださり…

 

店長さんに渡った一つの作品から生まれたフェアです。

もう9回目となりました。

店長さん、店長さんにプレゼントされた方、

店長さんに渡った作品に感謝しています。

 

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吉祥寺駅からの地図です。

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中道通りは

吉祥寺通りに面したユニクロ大和証券の間を入ります。

ぶらぶら歩いても楽しい街です。

珈琲好きにもうれしい街ですよ。

妻がパレントに詰めている間、

近所に有名珈琲店も2,3あるが私は、

まず「月波珈琲」に行こうっと。

(2018.3.30 記)

No.214 福寿草のアロマランプ~紅ー第貳(だいに)

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福寿草のアロマランプ~紅が完成しました。

紅の2作目です。

私はこの灯りを見ていると

幸せな気分になります。

妻と行って見た秩父紅が

今ここにあるように

思えるのです。

 

一作目は2年前。

黄色の福寿草は「雪」。

赤色の福寿草「紅」

それぞれ完成後我が家から旅たち、

お求めくださった方に愛されていることでしょう。

我が家には写真だけが残っています。

その写真です。

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 福寿草のアロマランプ~雪(2015年作) 同~紅(2015年制作)

今回の作品は「紅」の2作品目にあたるので

「紅ー第貳」(べにーだいに)としました。

秩父に咲く福寿草の仲間「秩父紅」が

モチーフです。 

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※上段6角形のピースはブラストで表現した「秩父紅」。黄色地に赤を被せた2層のガラスの赤色面に砂をあてて削りながら黄色地を「秩父紅」の形にした砂による彫刻です。
※中段のピースはオレンジ色のガラスをブラストしたもの。オレンジ色の層に砂をあてて削り、花の形で残した彫刻です。
※下段のピースは中断のピースのガクと葉の部分に絵付けしたもの。ガクに色つけし窯で焼いて、葉に色つけし窯で焼いてと案外手間のようです。

 

※被せ(きせ)ガラスについて

妻がこのようなブラストで作品を表現できるのは、被せガラスという希少な手作りガラスのお陰です。素晴らしいガラスをフランスやドイツやアメリカのガラス職人さんが一枚一枚吹きながら作ってくれています。かなり高価なガラスですが今妻が一番心配しているのは、世界に数社しかない上に、今まで使っていたお気に入りの色が廃番になるなど手に入らなくなっていることです。妻の作品はこの被せガラスがあるからできる表現方法です。妻は無くなったらどうしようと言いながら、被せガラスを大事に大事にしながら作品を作っています。 

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※できあがったピースを並べた状態

 

「紅ー第貳」は少しわかりにくいですよね。

今までなら「その2」等とするところでしょうが…

今私は大学OB合唱団で

草野心平詩の組曲「富士山」の練習をしています。

夏の山口への演奏旅行で、

地元合唱団と合同で歌う曲なので熱も入ります。

歌うたびに、

そこにある情景描写と詩人草野心平の心情に、

いいなあ、

そう思ってしまいます。

詩の背景を調べては、

詩人草野心平はすごい人だなあ、

また感心してしまいます。

そんなこともあるのでしょう。

妻の「2作目完成」と聞いて、

「紅ー第貳」だね、とっさに思いました。

草野心平は自身の作られた多くの富士山の詩に

作品第壹、作品第貳、作品第参・・・と題を付けました。

「紅ー第貳」が「富士山」の詩のように

見る人の心に何かを伝える作品となるよう祈りたい、

そんな気持ちの「紅ー第貳」です。

(2018.3.22 記) 

No.213 秩父の春~福寿草のアロマランプ雪&紅

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福寿草のアロマランプ~雪」(2015年制作 都内O様所有)

 

春の便りに心誘われます。

秩父に行こう。

そう妻と話し、

秩父に行きました。

秩父の今は節分草。

妻が今作っている福寿草も咲いているだろう。

 

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小鹿野両神の節分草園は、

山の斜面が節分草の花々に被われていました。

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今まで数度訪ねましたが、

この光景は初めてでした。

園で来訪者を出迎えられる地元の方々も笑顔です。

このために一年間節分草の環境を整えてきたのでしょう。

地元の方からのふるまいの甘酒、

なんとおいしかったこと!

妻の好きな甘酒、二人して、

おかわり! 

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手前には、

春未だの冷気に包まれながら、

死に花をもたげる節分草一輪。

かわいらしさの奥にひそむは野草の矜持か、

観ているこちらが覗かれるようでした。 

 

 

 

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 ムクゲ自然公園の福寿草は、

群れて鮮やかに咲く見事さに心わくわくしました。

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真っ黄色に揃った花の写真を送った妻のLINEに、

娘からの返事は「たんぽぽ?」

そう見えなくもないが、

「ほら、福寿草だよ。」

娘がここにいるなら言ってやりたいと思いました。

 

 

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ムクゲ自然公園の呼び物は秩父紅。

こんなに見事に咲いているところを他に知りません。

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昼過ぎのお日様の恵みを受け取るように

光沢の薄紅色の花びらをひろげて

秩父紅が待ち構えてくれました。

 

「いい色だね」「かわいいね!」

柵もロープもなく、

花と会話するように写真を撮りました。

妻とついつい夢中になって撮っていたら

「お日様も傾いてきたよ」と

しぼんできた花びらに教えられました。

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妻と二人、

秩父の山ふところをさまよい、

ひんやり心地よい風を受け、

野に咲く草花を愛でながら、

いっぱい元気をいただきました。

 

行って良かったね。

また行こうね。

福寿草」5作目への妻の意欲も

ますます高まったようで、楽しみです。

  

(2018.3.15 記) 

No.212 玄関のパネル~杉ぼっくりのステンドグラス

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雷鳥を見るといいことがあるよ。

職場の仲間4人で登った奥穂高

仲間の一人が雷鳥を指さし、

そうっと小声で教えてくれました。

険しい山道にぐったりしていた私も、

雷鳥を見て、不思議と元気が出ました。

雷鳥は火難や雷難を防ぐ神の使者とも知りました。

 

妻が納めた玄関のパネルの雷鳥を見て

私はふと若かった頃に登った奥穂高を思い出しました。

そして、神の使者がこの新居をお守りくださるのだと

思いました。


新築なさる玄関のドアに

ステンドのパネルをご希望くださったご夫妻が

我が家に打合せでいらっしゃいました。

私たちの年代にやや近いということもあり、

お子さんの小さい頃のお話にうなづくことも多く、

私には楽しいひとときでした。

妻は、ご夫妻それぞれのご趣味等を伺いながらも、

頭の中は玄関パネルのモチーフがかけ巡っていたのかも

知れません。


今回の作品は妻の第5回作品展に展示しました。

展示パネル7枚で制作過程も表していますので、

どうぞごらんください。

(文章も含め、妻による制作です。)

 

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《ガラス余話》

個展の時のパネル掲示では、使用ガラスの㉒白茶は

いくら調べても分からないので空欄でした。

ところが個展に来られた渋谷の興和ガラスの伊藤さん、

ガラスを一目見て「分かるよ。」

即座に6桁の数字を教えてくれました。

神業!

さすが世界中のガラスを20年も扱ってきた方です。

「あとりえ 悠」の作品作りに使うガラスを

この方の目と手を通して仕入れていることに

いっそう感謝の気持ちが湧いてきました。      

ありがとうございます。伊藤さん。

(2018.3.5 記)

No.211 「あとりえ 悠」10周年お礼~田中さん宅訪問 

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田中さんは、

妻が今日このようにステンドを作ることを

導いてくださったかけがえのない方です。

昨秋、田中さん宅に、

あとりえ悠10周年報告とお礼に伺いました。

 

田中さんはお父様から骨董の手ほどきを受け、

国内はもとより外国の美術工芸品も求められ.

ご自宅はさながら美術館のおもむきです。

また、お住まいの建替には、

古民家の梁や倉の扉など国内の四方八方を探し求め、

3年がかりで邸宅を完成させた方です。

そのような方に、あなたの作品はどれも好きと言われ、

どんなに妻は勇気をもらったことでしょう。

今のようにご注文の作品作りが忙しくなる前の時代に、

妻は田中さんに14作品をお納めしました。

 

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田中さんのご主人は蘭がお好きで、

蘭のパネルもご注文くださいました。

妻は何度も何度もデザインをし直ししながら

制作に取り組み、お納めしました。

 

この日の訪問で、

玄関から階段を望む大きな梁の下の壁に

その『蘭のパネル』を見つけました。

「おー、久しぶり!」

声をかけたくなるほど懐かしい気分になりました。

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あの時代に田中さんと出会わなかったら…と、

妻は今もときおり言います。

このように人に求められて忙しくステンドを

作っていたかどうか、分かりません。

作品を求められて,

手渡してお金を頂くプロ意識もまた

田中さんに教えられたように思います。

 

妻の作品作りの眠れない程の葛藤と苦しみを見ると、

そこまでして作るのかと

気の毒に思うことがあります。

しかし、作品を手渡した時のご注文された方の喜びに

妻は自分の喜びを重ねられるのでしょう。

妻も本当に嬉しそうです。

そんなとき私は、

“よかった。こんなふうに生きていられて。”

体調の良くなかった10年程前を思い出します。

そして、田中さんとの出会いに感謝します。 

妻が元気でいる…

こんなに嬉しいことはありません。 

 

あとりえ悠の誕生は

田中さんの『蘭のパネル』制作時に

妻は工房を『あとりえ 悠』として名刺を作りました。

それからの10年です。

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「あとりえ悠」の10周年は、田中さんをはじめ

今日までに出会った多くの方々のお陰です。

 

10年経たことの報告をこうして皆様にご報告し、

併せて心より感謝申し上げます。

(2018.2.25 記)