心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.271 お誕生祝い~周極星のランプ 

 f:id:you3113:20200528175618j:plain


私達がお世話になってきた登坂さんからのご依頼です。 

登坂さんのお世話になってきた方にお子さんが誕生し、

そのお祝いにとのことでした。

 

登坂さんには私の現役時代、

教員の研修講師や子どものためのPTA活動等々に

いろいろお世話になりました。

また私の退職後

妻は登坂さんに励まされました。

日本青年館ホール「木の灯り」制作時

宝塚で活躍していた登坂さんが使用したホールとのことで、

妻は創作意欲がいっそう湧きあがるようでした。

 

 

f:id:you3113:20200528001537j:plain


《作品納品時に登坂さんに送った妻の手紙(抜粋)》

星組」で活躍された登坂さんの繋がりで星を、また「周」というお名前から広い空や宇宙を連想いたしました。モチーフの一つは周くんのお誕生の星座であるみずがめ座を彫りました。
またいろいろ調べているうちに『周極星』に辿り着きました。周極星(しゅうきょくせい、英: Circumpolar star)とは、地球上のある地点で沈まない星のこと。つまり天の北極または天の南極に近接し絶対地平線下に沈まない星をさすそうです。周極星の一つである天のめあての星「北極星(ポラリス)」をもつこぐま座をお入れしました。

周くんの健やかなご成長とご家族のお幸せをお祈りしながら心を込めて作らせていただきました。

 

f:id:you3113:20200528002216j:plain


 

 ~十数年も前のこと~

 

入学式翌日の職員室

突然一人の1年生の母親が来られて

私の子どもが帰ってこない!

子どもはどこ? 

その声は静かでしたが

はっきり響きました。

新米校長の私も

学年の先生達も

これは大変!

間もなく

子どもは学童クラブで見つかりましたが

学年の先生方を中心に

必死に相談しました。

明日は

子どもが間違えずに帰ることができる方法に。

先生達は何年も続けたやり方を

その日のうちに変えてくれました。

あの母親の声を聞いたから…

私もまた

学校や子どものことで思案するとき

あの時の

あの声を思い出すようになりました。

ただ子を思う親の

心の叫びなのでしょう…

 


あの声を届けてくれた登坂さんに

新米校長への贈り物に

私はいつも詫びつつ

いつもいつも感謝してきました。

 

f:id:you3113:20200528002113j:plain

 

登坂さんは

国内外で活躍されている声の専門家。

登坂さんの素敵なHPを

どうぞのぞいてみてください。

声って?

私はHPからのBLOGの登坂さんの文章を読んでいて

ふと職員室でのあの声をまた思い出していました。

https://noriko-tosaka.com/about/

 

 

f:id:you3113:20200529044513j:plain

 

このHPをデザインをされた方が、

赤ちゃんの誕生された方と伺いました。

登坂さんの二人のお子さんも、

この方に遊んでもらったことがあったそうです。

私の知っている小学生だった登坂さんの二人のお子さん

それはもう大きく立派になられていて

ほんとうに驚きました。

時代が変わる!

人の成長にふれる!

本当にうれしいものです。

 

そして周くんも

やがてそのように成長していくのでしょう。

周極星のように!

遠くで静かに

私もまたその成長を祈らせていただきます。

 

 (2020.6.27.記)

No.270 古希に一歩「3作品貸し出し」

f:id:you3113:20200614012629j:plain

宮沢賢治星めぐりの歌」から「瞬き(またたき)」(2019年)

 

春5月

古希を迎えた。

妻が元気でステンドを作っているのが

嬉しい。

 

20年前はステンドに興味もなかった私が

今は

灯りをともしていいなあ…

そう思うようになった。

 

そんな妻の作品を

お金の負担をできるだけ少なくして

もっと多くの人に楽しんでもらいたいと

だんだん強く願うようになった。

3年程前

息子娘家族みんなが集まったとき

その思いをみんなに話した。

息子は

先ずやってみたらと言った。

 

それから

3年が過ぎた。

何もしないまま過ぎた。

 

 

古希を迎えたこの春、

コロナ禍でしたいこともままならない日が続いた。

ようやくおさまりかける街の様子を見て

忘れ物を思い出したように

妻の作品の見てもらう取り組みがっ!

 

準備に

取りかかった。 

 

f:id:you3113:20200614002104j:plain

貸出作品1「雪うさぎのランプ」 (販売価格80,000円)
 

私が妻から購入した3作品限定

一人1作品1週間

貸し出し料2千円

お付き合いのある近所の方で

ご希望の方がいらっしゃったら

それでスタート

 

f:id:you3113:20200613235618j:plain

貸出作品2「苺のランプ」(販売価格70,000円)

 

ステンドグラスに灯りをともす

スィッチを入れた指先の感触

生活空間をステンドの灯りがつつむ

新しい世界が見えるかもしれない

 

f:id:you3113:20190616155346j:plain

 貸出作品3「金魚のランプ」(販売価格80,000円)

 

古希に

ようやくその一歩

 

(2020.6.14 記)

N0.269 モンステラとラグビー

f:id:you3113:20200604231501j:plain
モンステラのランプ」に

ラグビーも」とのご依頼をいただきました。

 

ラグビーの好きな私には、

とっても嬉しいご依頼でした。

ラグビーのモチーフは初めてです。

過去、アメリカンフットボール

要望された方がいらっしゃいました。

アメリカまでひいきチームの応援に出かける方でした。

 

 

f:id:you3113:20200316000812j:plain

 

余談ですが、

私がラグビーとかかわりだしたのは50年程前。

当時私は花園常連校のブラスバンド部員。

ラグビー試合会場まで楽器をリヤカーに積み、

市内を30分ほど走ってラグビー部の応援。

リヤカーを引っぱって、

疲れて嫌だろう思われるかも知れませんが、

当時の私は授業免除が嬉しくて嬉しくて…

高校3年時の花園でのラグビー全国大会で、

優勝候補を破って6年ぶりの全国大会優勝。

大活躍の選手がクラスに2人いて、

それはそれは大盛り上がり。

東京に出てからの私の唯一の購読誌は、

そんなわけで「ラグビーマガジン」(当時季刊誌)。

そしていつしか秩父宮

ホッカイロを貼って静かにラグビー観戦する

おじさんになりました。

ラグビーには

リヤカーをひいて走った頃の青春が

今もつまったままのようです。 

 

 

f:id:you3113:20200604092509j:plain

ラグビーはいいもんだ。

ワールドカップは妻と盛り上がりました。

大のラグビーファンと自他共に認める妻は

ワールドカップ使用のラグビーボール

オーナメントもつくりました。

f:id:you3113:20200531165333j:plain

 

よろしかったら

妻のアメリカンフットボールの作品もご覧ください。

 →  https://bit.ly/2MD9fot

 (2020.6.6 記) 

No.268 冷酒ペアグラス~鬼とふくろう

f:id:you3113:20200523164350j:plain

妻へのご依頼は

お友達の画家の方への

傘寿のお祝いにとのことでした。

ご依頼者の方が見せて下さった資料から

画家の方は「鬼MANDARA」を描かれ、

また世界鬼学会等多方面でご活躍の方と知りました。

 

グラスのモチーフは、

ご本人の描かれた鬼とふくろう。

f:id:you3113:20200519182421j:plain

 

f:id:you3113:20200523172852j:plain

 

 

f:id:you3113:20200519182651j:plain

 

f:id:you3113:20200523163150j:plain

親ふくろうにくっついている子どものふくろう、

これがなんともかわいい! 

どうしてこんなにかわいいのでしょうか!

f:id:you3113:20200523172946j:plain


この冷酒ペアグラスを

見ていたら

無性にお酒を飲みたくなりました。

その気分、

出てしまいました。

f:id:you3113:20200524232205j:plain

 

(2020.6.1 記)

 

追伸

撮影終えて、

もう無性にお酒が飲みたくなり、

撮影用の郷土のお酒を家にあるおちょこで

ひと口!

 ん…

このペアグラスなら

もっと美味しくたくさん飲めそう…と

妻にこんな冷酒グラスをお願いしてみました。

No.267 薔薇~一輪の生命

f:id:you3113:20200509060925j:plain

薔薇の季節になりました。

多くの人々を惹き付ける薔薇。

今年はそれ故なんでしょうね。

バラ園の薔薇のつぼみ全てを摘んだというニュースが流れました。

例年10万人以上の人々が薔薇を観に集まる公園とのことでした。

 

f:id:you3113:20200509003926j:plain

妻は退院後、約1ヶ月の休養を経て

ようやく制作活動に取り組み始めました。

素敵なベースを手に入れ、

薔薇の作品と決めていたみたいです。

デザインは薔薇の立体感を出すように、

少し膨らみをもたせています。

外出自粛のために硝子彫刻の機械が使えず、

サンドブラストなしの作品になりました。

その分バラの花芯は、

ガラスを窯で焼いてから入れたそうです。

やはりひと手間かけた所はきらっと光るものですね。

 

 

f:id:you3113:20200509175527j:plain

今春の薔薇のつぼみがふくらむ頃、

私は久米宏のラジオ番組で、

「失われた福島のバラ園」の著者マヤ・ムーヤさんを

知りました。

後日同書を求め手にし、

福島県双葉町でバラと共に生きてきた岡田さん、

そのバラ園を世に知らしめたいという著者マヤさん、

いずれもすごい人だなあと感激しました。

また、原発隣接地のためバラ園から緊急避難したまま、

二度と足を踏み入れることのできない岡田さんの無念さが、

数々の薔薇の写真ににじみ出ているように思いました。

本の「序文に代えて」の倉本聰さんの文章が、

とても素敵でした。

「バラ、今何を想う」の題のあと、

“一輪の花にも一輪の生命がある。

 一本のバラにも一本の生命がある。”と語りかけます。

 

f:id:you3113:20200511190219j:plain

私は妻の作ったこの作品にふれ、

人の生命はもちろんですが、

薔薇一輪の生命の重さも噛み締める人になれたら…

ふとそんなことを思いました。

 

(2020.5.10 記)

No.266 「木の灯り」の「桜」~夜明けの桜

f:id:you3113:20200328054528j:plain

妻の作品の写真を撮って、

ブログにアップなんて、

恐ろしいことをしていると内心思う。

素人が好きに撮ってもいいとは思うが、

なにもひと様に見せなくても…

 

その素人が最近思う。

作品も、

誕生後すぐの撮影より

この世の空気を少し吸って

この世になじんでから写真に収まりたいんじゃないのか…

どこなら、

いつなら、

どうしたら、

作品はその気になるんだろう…

そんなことをあれこれ思う。

また、一方で

撮る側の気分もあれこれあって

素人なりに考える。

 

f:id:you3113:20200328063655j:plain

この作品は、

明け方がお気に入りなのかなあと思いながら

シャッターを押した。

5時起きして付き合ったが、

作品が喜んでいるように思った。

私は、作品に

やがていつか必ず来る夜明けを

みんなに告げて欲しいと思った。 

 

 

 

f:id:you3113:20200324231715j:plain

暗いところもまんざらではないようだ。

灯りだからねえ…  

f:id:you3113:20200324230053j:plain



この「木の灯り」の「桜」は、

日本青年館ホールにお納めした「桜」の2世。

f:id:you3113:20200330003142j:plain

日本青年館ホール楽屋廊下の「木の灯り」群。右は「桜」

プロの方の撮影したもの2枚を左右にくっつけています。 

妻の作った「木の灯り」達は

日本青年館ホール楽屋前で頑張っているようだ。

先日、日本青年館ホール社長から

アーチストがとても感動してくれて嬉しいとの

メールが飛び込んで来た。

妻に伝えて二人で喜んだ。

 

(2020.4.1 記)オッ、今日は息子の誕生日だ! 

 

追伸

3月下旬に入院手術した妻は経過も良好で、

4月初めに退院できました。

コロナで出かけることもなく静かにしていますが、

少しずつ作品作りに向かい始めています。

どんな作品を作るのか楽しみです。

(4月29日 記) 

No.265 桜うさぎ~祈り

f:id:you3113:20200309002428j:plain

それでも

桜は咲き始めました。

春が

来たのですね。

f:id:you3113:20200309001328j:plain

 

さくらさくら さくらさくら 万の死者

岩手県 桃心地さん)

東日本大震災1年後の夕刊で

私はこの句をたまたま目にしました。

詠み手の思い 

その言葉の力に

私のこころはふるえがとまりませんでした。

 

f:id:you3113:20200309003443j:plain

 

作品ご依頼の際、

命日までに間に合うと嬉しいのですが…

期日前、

妻は作品をご依頼くださった方のお宅に届けました。

亡くなられた大切な方のお仏壇の中にお納めし、

ご依頼主が灯りを点けました。

 

その夜、

ご依頼主の方に喜んでいただけたことを

妻は嬉しそうに語ってくれました。

妻がステンドグラスを作っていて

良かったとつくづく思いました。

 

近所の土手の桜が咲き始めたようです。

明日は今年の桜を見に…

妻を誘ってみよう。

 

(2,020.3.21 記)