心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

注文制作

No.328  中学時代、今も胸の中~恩師に捧ぐ~

左側は妻の卒業した中学校の校舎 横浜山手の丘に建つ校舎の教室の窓から 海と船の見えた妻の中学校 その卒業から 50余年 この春 妻の中学校の同期会が開かれた 同期会主催幹事会の計らいで 当時の担任ご招待の席上 妻のステンドグラスの灯りが贈られることと…

No.308 「みんなの四季の灯り」

みんなの好きなものが集まった灯り 妻への最初のご依頼は 廊下の天井の灯り 作品の相談に お子さん3人も一緒にご家族で我が家へ それぞれの入れたいモチーフを みんなで出し合い とてもいい感じ そして 灯りは お子さんたちも間近に見ることのできる 据え置…

No.306 世田谷大蔵プロジェクト~その1「雨鱒のパネル2」

5月5日完成したパネルをそうっと立ててみました。 マザーハウスにおさめる「雨鱒のパネル」が ようやく完成し、搬入を待っています。 パテ詰め→はんだ付け→おがくずを撒いて、 余計なパテや油をぬぐいます。 その後ひたすらブラシで磨くと鉛線が黒くなってつ…

No.304 世田谷大蔵プロジェクト~その1「雨鱒のパネル」

「この魚は…?」 と言うと、 原画を描いた村上さんが、 「雨鱒…中西さんが好きだった…」 その言葉に 私は突然十余年前を思い出しました。 かつて私が勤務する地域で、 中西さんにいつもいろいろとお世話になったこと。 中西さんがみんなを支えてくれたこと。…

No.303 寄せ木細工のキャンドルホルダー

妻はご依頼くださった方と相談して、 寄せ木細工をイメージした作品を作りました。 寄木細工を作られる方への贈り物とのことです。 妻が細かなガラスピースをたくさん作り、 ご依頼者にそのピースを自由にならべていただきました。 寄木細工の手法にガラスの…

No.302 「心に染みる口笛」のランプ

生まれて初めて口笛サークルのコンサートに 妻と行った。 着席時すでにお客様でうまっていて、 二百名程が静かに開演を待った。 音色が心に染みてくる。 聴きながら、 私も子どもの頃は 口笛をよく吹いたなあ。 そんなことを思い出した。 演奏者7名の口笛が …

No.295 パネル「上谷戸親水公園(かさやとしんすいこうえん)」ローズ亭で展示 (11月23日) 

みずみずしい絵手紙と水彩画を描かれる方から ご自身の描かれた水彩画を ステンドグラスにして欲しいと 妻はご依頼を受けました。 その作品が 「上谷戸親水公園(かさやとしんすいこうえん)」です。 作品制作中のこの5月、妻と親水公園に行きました。 蛍飛…

No.292 紫陽花のパネル

妻は何度も何度も描き直した図面に小さく切ったガラスを並べています。 紫陽花の花言葉は家族団らん。 亡くなられたご主人が生まれたのも紫陽花の季節。 新築のお宅にその紫陽花のステンドグラスを作って欲しいとの ご依頼を受けました。 6月の事です。 受け…

No.282 妙高高原の「BONNE NEIGE(ボン ネイジュ)」その2(制作の過程)

「BONNE NEIGE(ボン ネイジュ)」をたずねて 長い間 お客様を受け入れ お客様とともに過ごしてこられたペンション。 フランス語で「BONNE NEIGE(ボン ネイジュ)」。 閉じらてなお愛着はつのるのでしょう。 「BONNE NEIGE』をステンドグラスにして欲しいと…

No.281 二人の船出~ご結婚おめでとう

お二人が中心になって作ったステンドグラス そうですか。 お父さまは、 はるのさんの中学生の時に亡くなられたのですか… ヨットに乗せてもらったり海で一緒に遊んだり、 思い出はたくさんおありなんですね… このまさとさんのデザイン、 元の写真ではヨットの…

No.280 行灯「紀の川」2021

行灯「紀の川」2021:初代は行灯「紀の川」(2013年制作) モチーフは室町時代の舞楽装束の薔薇文様。 600年も前の日本にあったこの文様が、 西洋で生まれた硝子に彫られ、 今この時代の私達にもみずみずしさを感じさせます。 ご依頼者は我が家に来られたそ…

NO.279 どんぐりの灯り

あかちゃんをあずかる「どんぐり保育室」で働かれる皆さんから 「どんぐりの灯り」のご依頼を受けました。 8名の方お一人お一人に ご自分の灯りに使いたいご自分の好きな硝子と その並べ方を決めていただきました。 選ばれた硝子には、 様々な気持ちが込めら…

No.278 母の帯の灯り

直接拝見はしていませんが きっと とても素敵な とてもとても大切な 帯に違いありません。 できあがった作品をみて 私はそう思いました。 ご依頼者が送ってくださった「帯の写真」 制作にあたり、 ご依頼の方から 妻は 大切な帯の写真と 大切なその意味を 受…

No.276 妙高高原の「BONNE NEIGE (ボン ネイジュ)」その1 (取材訪問)

妻の「コッツウォルズの蜂蜜色の家」(2012年制作)を ご覧になった方からのこんなご依頼でした。 35年前、 お父様が始めた妙高高原のペンション。 ときには40名のお客様をお泊めし、 家族みんなで切り盛りしてきました。 昨年お父様が亡くなられた後、 ペンシ…

No.272 「ココペリ」~コロナ禍の中で最も多かったご依頼

(その1)吉祥寺「パレント」春のフェア出品用 (予定4月:中止) コロナ禍の世の中 この春から夏までの 妻への作品ご依頼で多かったのは ココペリ。 たまたまなんでしょう…が。 一つのモチーフが突出するのは 初めてです。 ココペリは コロンブスの大陸発…

No.271 お誕生祝い~周極星のランプ 

私達がお世話になってきた登坂さんからのご依頼です。 登坂さんのお世話になってきた方にお子さんが誕生し、 そのお祝いにとのことでした。 登坂さんには私の現役時代、 教員の研修講師や子どものためのPTA活動等々に いろいろお世話になりました。 また私の…

N0.269 モンステラとラグビー

「モンステラのランプ」に 「ラグビーも」とのご依頼をいただきました。 ラグビーの好きな私には、 とっても嬉しいご依頼でした。 ラグビーのモチーフは初めてです。 過去、アメリカンフットボールを 要望された方がいらっしゃいました。 アメリカまでひいき…

No.268 冷酒ペアグラス~鬼とふくろう

妻へのご依頼は お友達の画家の方への 傘寿のお祝いにとのことでした。 ご依頼者の方が見せて下さった資料から 画家の方は「鬼MANDARA」を描かれ、 また世界鬼学会等多方面でご活躍の方と知りました。 グラスのモチーフは、 ご本人の描かれた鬼とふくろう。 …

No.265 桜うさぎ~祈り

それでも 桜は咲き始めました。 春が 来たのですね。 さくらさくら さくらさくら 万の死者 (岩手県 桃心地さん) 東日本大震災1年後の夕刊で 私はこの句をたまたま目にしました。 詠み手の思い その言葉の力に 私のこころはふるえがとまりませんでした。 作…

No.255 ココペリ~インディアンジュエリーの「ピュアドール」さん(広島県福山市)でサンキャッチャー販売中

ココペリは アメリカ大陸に昔から住んでいた人々が 発芽と豊穣をもたらすとあがめていた精霊。 そのいわれと共にその姿かたちもまた 魅力的なココペリ。 2008年制作「ココペリのランタン」 妻は数多くのココペリの作品を 作り続けてきました。 妻の作品のど…

No.253 「富士山と梅のお灯明」~おじいちゃんと見た富士山

ーまもなく春の頃にー 妻が担任の頃お世話になった保護者の方が 我が家に来られました。 妻と積もる話を楽しくされていましたが、 亡くなられたお父様のお灯明を作りたいとのお話でした。 息子さんにデザインを少し考えてもらおうとも… 息子さんは妻のかつて…

No.252 碧天(へきてん)の星座

都会の雨上がりの午後 秋風がさぁーっと流れ 空はどこまでも 澄んで青く… きれいだよねえ 田舎で見たような青い空 青く澄んだ空は ただそれだけで きれいだよねえ 妻の作品「星空ドーム」をご覧になって 亡くなられたご主人のために同様の作品をと ご注文く…

No.250「ブログをまだやめないでいます。先生、ごめんなさい」~亡き恩師へ~

拙ブログNo1「星空のドームランプ」(2012.5.2) 参照→https://bit.ly/1T01Agq 7年前でした。 卒論指導教官として大変お世話になり、 結婚式のご媒酌人にもなっていただいた恩師に ブログを始めた報告をしようと電話をしました。 「先生、お久しぶりです。…

No.248 日本青年館ホール「木の灯り」ご観覧(2019.7.12実施)

右:日本青年館ホールのある日本青年館全景左上:利用前のひっそりした楽屋廊下と「木の灯り」左下:この日のご観覧の様子 2年前竣工の年にバックヤードツアーがありました。 ツアーでは楽屋フロアの灯りも見ることができました。 その後「私も見たかった」…

No.246 生かされて紡ぐ「あとりえ 悠」の作品~其の1 「迷い」と「決断」

「北斎の波のステンドグラス」(2017年制作) 人とともに生きることの喜び、時に悩み、苦しみ。幾重にも寄せるそんな波に身を浸して私たちは生きているのでしょうか。どうしようもない大きな迷いの渦に巻き込まれた時、一歩を踏み出す決断は、案外まわりの人…

No.244 お孫さんのための写真立て2作品

今度1歳と3歳になるお孫さんのいる息子さんご夫婦への 贈り物の相談を受けた妻は 「写真立てはどうでしょう?」 そして、お孫さん自身の記念にとお誕生日と干支、 それにお嫁さんの実家の岡山で生まれたので 桃太郎のお供をモチーフにして入れました。 お猿…

No.239 小さな灯り~舞い降りる天使

天使 舞い降りる お幸せにね 「娘の結婚のお祝いです。よろしくお願いします」 お母様が春に嫁がれるお嬢様と一緒に 我が家に来られました。 お嬢様は、すでに作品イメージをもたれていて、 我が家の展示作品50点程を 妻といろいろ話しながらご覧になり、 す…

No.235 かずえさんの灯り

枝振り見事な楓の木に迎えられ, 刈りそろえられた芝の庭の先の玄関扉を開けると、 そこに「かずえさんの灯り」。 年内にお納めのお約束を果たせ、 妻はホッとしていました。 モチーフはかずえさんの身の回りの、 楓、桂、凌霄花(ノウゼンカズラ)、福寿草、…

No.229 3つの「星つむぐ灯り」~ご結婚おめでとう

ひとつはお相手の方のご両親のもとに ひとつは亡きお父様も含めてご自分の両親に そしてひとつはお二人の手元に まもなく、お式の始まりでしょうか ご結婚おめでとうございます 3つの「星つむぐ灯り」 結婚式のサプライズになるといいですね ご依頼者の故郷…

No.227  隠れ家カフェ「 ローズ亭」ふたつの灯り~ローズと翡翠(ひすい)

「ローズ」~ローズ亭の薔薇文様の灯り 「翡翠(ひすい)」~ローズ亭の薔薇の灯り 垣根に沿った道からは つい見落としてしまいそう ここは隠れ家カフェ『ローズ亭』 一杯の珈琲を口にするだけなのに 店主のお人柄が醸す店内の雰囲気に じんわり感じる居心地…