心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.282 妙高高原の「BONNE NEIGE(ボン ネイジュ)」その2(制作の過程)

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「BONNE  NEIGE(ボン ネイジュ)」をたずねて

長い間

お客様を受け入れ

お客様とともに過ごしてこられたペンション。

フランス語で「BONNE  NEIGE(ボン ネイジュ)」。

閉じらてなお愛着はつのるのでしょう。

「BONNE  NEIGE』をステンドグラスにして欲しいと

制作ご依頼を受けました。

 

そして妻と二人でたずねました。

妙高高原の「BONNE  NEIGE」。

高原に冬の気配が忍び寄る季節でしたが

妻と私の心は信じられないくらいに温かくなりました。

「BONNE  NEIGE」を守ってこられた方にふれたから。

 

「BONNE  NEIGE」の模型づくり

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妻の「コッツウォルズの蜂蜜色の家」(2013年作)

上記の妻の作品を見られてのご依頼だったので、

私はデフォルメした作品と想像しましたが、

「お客様がご自分の泊まった部屋が分かるような…」

とのお話。

妻はそれではと、

「BONNE  NEIGE」の住宅設計図面を送っていただき、

正確な模型づくりから取り組みました。

 

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妻は建築模型の本を買い求めて勉強していましたが、

YouTubeが、一番よくわかった。」とのこと。

昨今、YouTubeが話題になるわけが

分かったような気がしました。

 

試行錯誤を重ねながら、

徐々に「BONNE  NEIGE」の模型が仕上がってきました。

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かなり時間はかかりましたが、

住宅設計図から「BONNE  NEIGE」の模型の完成です。

ステンドグラス作品をつくる基ができました。

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ここから

いよいよ硝子の特性・良さを生かしての作品づくりです。

 


「BONNE  NEIGE」 を「硝子で作る」

ご依頼の方とも相談しながら選んだサイズは75分の1。

通常の建築模型は50分の1が基本サイズとのことですから

キュートな作品になりそうな感じの大きさです。

一方、硝子切断やくっつけ作業には手間がかかるかも…

 

案の定、小さいピースがめじろおし。

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さらに妻は二重窓も表現したいらしい。

毎度のことながら

制作時間や効率とは関係なく進みます。

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 作り方が今までとは異なる作品ですが、

ご依頼者に喜んでいただけるものにしたいと

それだけ思って作り続けているのでしょう。

 

どんな風に仕上がるのか、

楽しみです。

 

ブログを書いていたら思い出しました。

「BONNE  NEIGE」を建てて30年運営してこられた方の

「ペンションのあるじ」のネパール食べ物紀行」

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「BONNE  NEIGE」を作られたお父さまの書かれた本

ブログを書いてて、無性に読み返したくなりました。

ネパールの山岳地帯を旅しながらの食にふれた文章は、

人のあり方を考えさせます。

魅力的な方です。

至らない自分を見られそうですが、

できたらお会いしたかったと思いました。

そして、

その死を受け入れなければならない

ご家族の思いに心及びます。

妻の「BONNE  NEIGE」があなたに届きますように。

合掌。

 

 (2021. 6.5 記)

 

追伸

あなたが大切に育ててこられた雪割草の写真が、

撮影されたお嬢様から届きました。 

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「可憐な雪割草は自然とともに自然のままに…」

写真を見て、そんな思いがしました。