「藤」に続く、和のステンドグラスの2作目です。
テーマは太古の昔から永遠に繋がる命。
モチーフを日本の古典文様に求めて、
不死鳥と花唐草模様を酸抜きしました。
丸いピースの枠は森をイメージしてグリーンをあしらいました。
背景の檜垣模様はキュリアスの赤いガラスとストライプのクリアガラス。
フュージングした緑~黄~橙~赤のジュエルで命の煌めきをイメージしながら組みました。
写真&文 2002.07 ステンドグラス *あとりえ 悠*
~お盆~
旧盆の時期になりました。
今回の作品はお盆のイメージで選びました。
お盆の風習が巷からだんだんと消えていくのを感じながら、
テーマをお盆にしようと思いました。
子どもたちの小さい頃は家族みんなでお盆に田舎へ帰りました。
帰ると、親・兄夫婦・おい・めいにお世話になりながらの田舎暮らし。
子どもたちは軽トラックに乗って農道を走るのが大好きでした。
稲穂をわたる風を体中に受けました。
また盆踊りの帰り道は足元も見えないくらい恐ろしい暗闇でした。、 天空の星だけが、はるか彼方でまたたいていました。
やがて子どもたちは田舎が大好きになりました。
田舎好きは今でも変わらないようです。(※「私も」と横で妻の声)
田舎とお盆があって良かったなあと思います。
去年の暮、娘に
「お父さん、これ、知り合いの方からの本。娘さんが書いた本だって」
と「盆まねき」という本を渡されました。
児童文学ですが、これが良かった。
物語の背景に著者(富安陽子氏)の奏でる亡き叔父さんへの鎮魂歌が聞こえてきます。
胸が熱くなりました。大人も感動し楽しめる本です。
“人間は2回死ぬ。心臓が止まった時。そしてみんなに忘れられた時。”
ハッとする、忘れられない言葉でした。
私たちの生活にお盆があったから、こんな素晴らしい作品が生まれたのでしょうね。
2012.8.11 記