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心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.174 隠れ家カフェ「ローズ亭」

取扱店 小物 花・植物

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江戸時代、屋敷に入る不審者を問い質していた門番の居、

平成の今は珈琲香ほのかに漂う隠れ家カフェ。

かつて門番が訪問者を見定めた小窓、

今その上には珈琲カップ棚。

 

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門番のいるべき所が隠れ家なんて!

ここなら誰にも見つかるまい!

みどりさんの手作りケーキがいい!

庭の薔薇をぼんやり見るもいい!

 

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此処こそ

この儘

隠れ家の儘でいて欲しい。

他の人にあまり知られたくない

妻と私のお気に入りの

とっておきの「ローズ亭」です。

 

紹介してしまいましたが、 

ん~、出来たら忘れて欲しいような・・・

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 妻の作品、少し置いています。

(2016.11.19 記)

No.173 おじちゃんに捧ぐ~胡蝶蘭の灯明

ランプ 花・植物

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妻を可愛がってくれたおじちゃんの四十九日が近づく。

作りたい、ただ作りたいと、

妻はこのお灯明を作りました。

 

妻に聞いたおじちゃんとの話です。

おじちゃんは自社ブランドのバッグをデパートにも卸していました。

妻が中学生になった時のこと、

おじちゃんは絵の具代がないならと

自社ブランドのバッグを1個500円で12個渡して、

妻に友達に売るといいよと言ってくれたとのこと。

破格の安さだったのか、あっという間に全部売れたらしい。

妻の差し出した12個分の6千円を見て、おじちゃんは、

ゆうこちゃんは大きくなったら商売しないほうがいいよ。

そう言って、笑いながら、その6千円を絵の具の道具代にしなさいと

くれたとのこと。

妻は当時を振り返っては、

売り上げで儲けを出すことが想像もできなかった自分の愚かさと

いつも親身に応援してくれたおじちゃんへの感謝の気持ちで

いっぱいになるようです。

 

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お葬式会場の遺影は

参列したみんなを温かく包むような笑顔のおじちゃんでした。

やさしく、すてきななおじちゃんでした。

だから、みんな悲しくなりました。

 

おじちゃんのお葬式のあと、

作りたいと言って出来た作品です。

灯りをともすと、

オレンジ色をおびた胡蝶蘭

どうしても、おじちゃんを感じてしまいます。

 

おじちゃんに応援されて、

妻はステンドを作っています。

おじちゃんにお礼のステンドグラスの灯りができました。

おじちゃん、本当にありがとうございます。

 

(2016.11.5  記)

 

追伸

今日は、お墓への納骨でした。

おじちゃんとおばちゃんが4年前にお墓を作るときに、

二人で考えられた言葉とのこと。

本当におじちゃんおばちゃんらしい言葉でした。

ー思いやりー

聞き慣れた言葉なのに、

重く心に響いてきます・・・

 

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 (2016.11.6  追記)

No.172 とお(10)の木の灯り~紅葉

ランプ 制作過程 日本青年館ホール 注文制作 花・植物

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(青年館ホール側と打合せの為に持ち出した制作途中の「栗の灯り」)

 

先週末、妻のステンドづくりのため

樹木の紅葉調査に二人で私の故郷秋田をたずねました。

妻は、この2月から青年館ホールの灯りのために

とお(10)の樹木を追い続け調べていますが、

その妻が、

秋田の紅葉は一つの木の中で葉が多様に色を変えて

木に留まったまま美しい紅葉になることに驚いていました。

同じ樹木でも東京では緑から枯れて落葉するか

緑のまま落ちてしまうと盛んに言っていました。 

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そうかあ。

同じ木の葉の色、そのものが東京と違うのかあ。

だから、この見事な紅葉なんだ。 

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妻の“同じ紅葉でも東京と違う”という言葉を聞きながら、

ふと、遠い昔、私が田舎から東京に出た頃、

口ずさんだ“東京に空はない”という詩を思い出しました。

 

「あどけない話」 高村光太郎

智恵子は東京に空が無いという

ほんとの空が見たいという

私は驚いて空を見る

桜若葉の間に在るのは

切っても切れない

むかしなじみのきれいな空だ

どんよりけむる地平のぼかしは

うすもも色の朝のしめりだ

智恵子は遠くを見ながら言う

阿多多羅山の山の上に

毎日出ている青い空が

智恵子のほんとの空だという

あどけない空の話である。

 

私が上京した当時は

公害が最も大きな社会問題だった頃です。

都会のあちらこちら、

街を流れる川はヘドロと洗剤の泡で満ち、

工場や車等による大気汚染は喘息患者をうみだしていました。

今のシニア世代と言われる人たちの中に

教科書で習った智恵子の“東京にほんとの空はない”を

自分の故郷と重ねながら思い出した人は

少なくないように思います。

一方で故郷なまりの言葉遣いは嘲笑されました。

田舎から出てきて、私が秋田出身を告げると、

“お国なまりがないわね”とよく言われましたが、

“たぶん褒められただろう”嬉しさと同時に、

そしてそれ以上に、

私には大事なものを見失うような複雑な思いが

つきまといました。

私が若者だった頃の話です。

あ~、すみません。

妻の“東京の紅葉と違う”から昔話になってしまいましたね。 

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さて、今回の妻との秋田での紅葉巡りでは

東京よりも厳しい寒冷地の山々で育つ

樹木の紅葉を間近に見て、

今まで以上に樹木の生命の息吹を感じ、

厳しい中での美しさを感じることの出来る旅となりました。

妻のステンドづくりには欠かせない、

モチーフにふれることの出来た紅葉の旅でした。

 

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(来年6月竣工の日本青年館の模型。右は10月24日現在建設中の様子。) 

(2016.10.28 記)

No.171 市民文化祭~今年もよろしくお願いします

作品展 自然・風景 行灯

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近所の珈琲店の店長さんにお声かけいただき、

妻は昨年初めて市民文化祭の美術作品展に協力出展しました。

奥まった展示会場の入り口をステンドの灯りで

人目を引くというご意向もあったようです。 

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※昨年の様子

 

私たちはこの市に住んで30年になります。

38回続く市民文化祭を知らずにいたことに驚きつつ、

私は地元を見ていなかったことを反省しました。

お声かけ下さった店長さんには本当に感謝です。

 

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今年も店長さんから出展のお声かけをいただいて、

妻は入り口用の行灯を作りました。

出来るだけ大勢の市民の方々が会場の作品を

ご覧くださるようにと願いながら作っていました。

 

 今年は私まで店長さんにお仕事を仰せつかり、

お役に立つならとお受けしましたが・・・

はてさて、皆さんのお邪魔にならないようにと自戒するばかりです。

 

 

第39回多摩市民文化祭

「楽しいキモチ 自由なカタチ」白樺美術連盟

会場 パルテノン多摩 特別展示室

最寄り駅 多摩センター駅徒歩5分

  (小田急多摩線京王相模原線多摩モノレール

日時 10月28日(金)~ 10月31日(月)

   10:00 ~ 18:00  (最終日は午後4時まで)

 

(2016.10.19 記)

 

 

No.170 上村松篁のあの「月夜」~やっと完成!

うさぎ パネル 制作過程 和風 四季 絵付け 自然・風景

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かすかな割れた線、見えますでしょうか。

あっ、やっぱり、

上部にはっきり、見えますね。

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この作品、

完成が近づいていたのに

真っ二つでした。

その後、予定通り絵付けなどを施し、

完成となりました。

 

10年前の妻なら

ここまで至ったのかあ・・・

割れたときは、

心も真っ二つかと心配しました。

 

この10年間、

ひたすら良い作品を作りたい、

応援して下さる方々に感謝したい、

ご依頼主に喜んでもらいたい等々

そんな日々の繰り返しが妻を鍛えたのでしょうか・・・

 

額に納めて完成の時、

私は木ねじの大きさに合った錐を出しただけでしたが、

感慨深い完成となりました。

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その後、妻は写真の割れた線を消す作業をしました。

割れなければ、こんな出来具合かと

想像したのでしょう。

 

割れたこの経験、

これからの作品作りに役立つこともあるでしょう。

そうして、良い経験だったと言うのでしょう・・・ね。

 

※この作品づくりは過去No163にて紹介いたしました。

 参照 http://bit.ly/2e2zxOr 

(2016.10.13 記)

No.169 サンドブラスト教室作品展

作品展 その他

妻がサンドブラストを始めて8年。

ずうっとお世話になってきた教室が

この度初めての教室展を開きました。

妻も4点出品し、一昨日搬入。

お近くにご用の方がいらっしゃいましたら

お立ち寄り頂ければ幸いです。

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 9月21日(水)~25日(日)10時~19時 

府中グリーンプラザ 分館ギャラリー 京王線府中駅南口1分

 

私の思い出:「王者のまなざし」

 妻の学んだ技法はサンドブラストによる硝子彫刻です。

この技法で作られたある作品との出会い、

今も鮮明です。

 

2年前妻が「鷺草乃原」を出品した時の

日本サンドブラスト協会主催第8回硝子彫刻展の会場、

たくさんの硝子彫刻作品の中に、

たてがみをなびかせた精悍で颯爽としたライオン。

百獣の王とは・・・

すごい作品だなと感心しながら

見る位置を変えていって、さらに驚きました。

強靱な王と思われたそのまなざしに

宿るのは哀れみ。

いやあ、すごいなあ。

これはすごいと感激したことが心深く刻まれました。

そして、作品名を見てまたびっくり。

「王者のまなざし」

作者の伝えたかったことを受け取ったように思いました。

 

宗教的精神性の漂う慈しみではなく、

強さの中に宿るのは哀れみなのでしょう。

多くの敵や生き物を倒してきた我が身、

その世界の中でしか生きられないと知りつつ、

また倒されていく者の痛みや無念さも感じつつ、

なおも生き続ける者の、王者のそのまなざし。

そしてそのまなざしは

他者のみならず我が身にも注がれていると思えました。

私にはそう見えました。

 

こんな対話をさせる作品、その作者。

本当にすごいと思いました。

 

この作者は硝子彫刻技法創始者のお嬢様ですが、

ご結婚された今は制作活動を以前より控えられているそうです。

 

この作品を実際に見て頂けたらと思うのですが、

無理なので、どんな作品かだけ、お伝えします。

どうぞDM写真をご覧ください。

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(2016.9.22 記)

No.168 とお(10)の灯り~その7「栗の灯り試作・ミニランプ」

ランプ 日本青年館ホール 花・植物

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日本青年館ホールにお納めする10種の木の灯り。

妻はいろいろな取り組みをしていますが、

栗が生長してイガクリになるや、

イガとの取っ組み合いが続きました。

そして、この試作品ができました。

選ぶ予定のガラスに彫った栗とリスの

灯りを点けたときの映え具合等を見たかったようです。

 

この試作品からどんな本作品ができるか、

傍らで静かに楽しみに待つとしましょう。

 

 

 クリと言えば栗ご飯

 私も妻も栗ご飯が大好きでね。

 

そうそう「檜山路の灯り」の方から

鬼皮をとってすぐ調理できる状態でいただいたもんで

早速栗ご飯にしました。

美味しい!

いろいろ気になるけど・・・、

お昼はちゃんと食べてないからねっ!

自分を納得させてから2杯目。

美味っしい!!

美味しくって困ったもんです・・・

 

 

日本青年館ホール工事現場を見て

妻はいつものことだが、

作品づくりでは

現物そのものとそれがおかれる現場を見る。

決まってそうしている。

作品作りに欠かせないのだろう。

6月に日本青年館の工事現場を道路から覗いた。

しかし、足を踏み入れないと現場ではないらしい。

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 ※現場事務所4階からの撮影 

8月下旬の雨の日、

日本青年館の社長と専務のお二人と

それに設計責任者と工事責任者のお世話になり、

現場を間近に見せていただいた。

やはり道路から見るのとは違う。

私は、雨中に忙しく働く目の前の作業員から、

こうして造られていくんだと実感できた。

妻も雨中の工事現場をじっと見ていた。

 

こんなにお手数をおかけし、

お世話になり、

もう満足してもらえる良い作品を

作るしかない。

 

 (2016.9.18 記)