心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.149 吉祥寺Paleんtte~春のフェア

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4月23日(土)と24日(日)の両日とも

妻もお店でステンドグラスの説明を致します。

よろしかったらお越しくださいませ。

 

吉祥寺の『パレント』さんでの春のフェアも今年で4回目。

クリスマスフェアを入れると通算7回目です。

ブティックでの作品展は

昨年は川越の『ローザ・ロッサ』でも開催。

 

 

ブティックで作品展とは

それまで全く思い付きませんでした。

それを導いたのは1個のキャンドルホルダー

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※この画像とは色が少し違う作品です

こんなかわいらしい作品1個が、

それまで知らなかった大勢の人と妻の作品とを

引き合わせてくれました。

作品1個で凄いと思いますが、

怖い世界にもみえます。

 

詳しいいきさつは、本拙ブログ

「No48*あとりえ 悠*フェア~吉祥寺Paleんtte」を

ご覧ください。

http://bit.ly/25CnU6p

 

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年度初めのお忙しい時期です。

ご自愛くださいませ。

 

(2016.4.2 記)

 

No.148 蓮と牡丹のお灯明

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頼まれてつくったお灯明

2つ並べて思った

今は亡き義母のつくった木目込み雛人形

一緒に並べよう

 

おばあちゃん

どう?

 

並べたら

お灯明と人形は

まるで 昔からそうしているようだった

 

妻の母は30年間木目込み人形の講師を続けられた

作品には 凛とした優雅さにあたたか味があった

 

 

じっと見ていたら 

「おまえも がんばっているね」

 亡き義母の

娘への想いが聞こえるようだった・・・

 

 

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作品が完成して、

ご依頼主がお友だちを連れてお受け取りに来られた。

かつて3人は同じ教室でステンドを作っていたお仲間。

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3人集まれば、もはや時計の針は動かない。

私は珈琲をお出しして、

「行ってきます」と時間の止まった我が家を出て

駅に急いだ。

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仕事を終え、

私は夜道を帰った。

玄関のドアに手をかけたとたん

飛び込んできたのは3人の談笑!!

おー、なんと!

3杯目の珈琲、ドリップしよう!

急いで私は靴を脱ぎ捨てた。 

(2016.3.10 記)

No.147 とお(10)の木のあかり~その1

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顔?「冬の木の芽」です。(かがくのとも絵本)

 

10種類の日本の木で作られた楽屋のドア横に

それぞれ10のステンドグラスの灯りをつくって欲しい。

自らもチェロを奏で合奏を楽しまれるホール代表からの

妻へのご依頼でした。

内外のアーティストに

日本の文化を味わい、その良さを持ち帰って頂けたら、

そんなお気持ちをにじませたご要望に

妻と私は感激しました。

 

ホール竣工は来年初夏。

それに間に合うように、

桂、桐、栗、欅、山桜、杉、栃、小楢、朴、赤松の

10種の木のドアそれぞれにあう10のあかりを

納めることになります。

 

妻は今までにない仕事に

昂奮とプレッシャーを覚えながらも、

時間を経るとともに

いつもご依頼を受けた時のように

動き始めました。

 

以下は妻のツイートです。

 

・・・・・・・・・・

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自分では記憶にない3枚の付箋が付いていた。

そのページを開いたらこんな写真が載っていた。

この後にうさぎの作品を作り始めた時の『雪うさぎ&リス』の

イメージはここから来たのかも知れません。

『森の本』、改めて読もう。

 

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どのページにも生命の息吹があふれていた。

木々の美しい緑や秋の彩や雪の中から芽吹く

花木の芽や可憐な野草など...

大きな癒しと力をもらっていたことを思い出した。

 

森に癒されながら、

人は自然の一部として生かされていて

悩みなんてとるに足らないことなんだなあと感じて

幸せな気持ちになった。

その時の森を突然思い出した。

木のあかりはその時の気持ちを忘れないで作りたいなぁ。

・・・・・・・

 

妻の作品を納めることになったホールは

都内でも伝統と実績を誇るところで、

宝塚の東京公演会場としても有名とのことです。

 

この『木のあかり』づくりはこれから1年以上も続きます。

時おり、このブログでその様子をお知らせします。

 

妻はどんなものをつくるのか、

私もわくわくです。

 

(2016.2.29 記)

No146 雪うさぎシリーズ

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雪のガラスの雪うさぎアロマランプ(2015年)

 

2010年2月

もうすぐ春というのに大雪の日

銀世界は

うさぎが好きで

冬のうさぎを思案していた妻に

雪うさぎを連れてきてくれました

 

以来妻は

雪うさぎの作品をつくり続けています

昨年も

今年も

 

ご依頼等で根強い人気の雪うさぎなのですが

案外妻は自分が好きだから作っているのかも

 

どれだけ作ったことでしょう

好きでなければ

こんなにつくれないでしょう 

 

主な作品を並べてみました

 

No1 雪うさぎ(2010年)

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No2 雪うさぎのサンキャッチャー(2011年)

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No3 雪うさぎⅡ~家族(2011年)

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No4 じゅんこさんの雪うさぎ(2013年)

 

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※ブログ参照 http://bit.ly/1FaG4xW

 

 

No5 雪うさぎのミニランプ(2013年)

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※ブログ参照 http://bit.ly/1QsECAv

 

 No6 雪うさぎのアロマランプ(2014年) 

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※ブログ参照 http://bit.ly/1v450Eu

 

No7 雪うさぎのミニツリー(2014年)

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No8 インコのいる雪うさぎのアロマランプ(2014年)

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No9 雪のガラスの雪うさぎアロマランプ(2015年)

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No10 水色の雪うさぎアロマランプ(2016年)

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No11 雪うさぎのアロマランプミニ(2016年)

 

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No12 雪うさぎのゆらゆらランプ(2016年)

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 (2016.2.21 記)

 

かさこ地蔵と雪うさぎ

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妻のお世話になっている保育園玄関に

置かれた妻の雪うさぎ

前に並んだ可愛いお地蔵さん六体は

保育士さんのお母様手作りとのこと

 

こんなにふうに飾っていただいて

嬉しいね

妻と感激しました

 

かさこ地蔵に守られ

ほんのりする雪うさぎ

 

いいなあ

感謝です

 

No.145 『菖蒲を愛でる』(2011年作品)に寄せて~『求めない』(加島祥造著)

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求めないーー

すると

いまじゅうぶんに持っていると気づく

 

 

求めない ーー

すると

それでも案外

生きてゆけると知る

 

 

求めない ーー

すると

改めて

人間は求めるものだ

と知る

加島祥造著『求めない』より)

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妻は、

孫と一緒に菖蒲で有名な公園に行った。

孫と菖蒲を見・・・

そして疲れた孫を背負って帰った。

 

加島祥造は、同著で述べる。

“求める”と“奪う”

 “互いをいかす”

それは“与えあう”ことだと。

 

妻と孫、

求めず、

何を与えあったのだろうか。

 

想像しても

私には妻と孫の笑顔しか

浮かばない。

 

 

※菖蒲の作品をつくりたいと言っていた妻。

 なかなかつくれないまま何年も過ぎた。

 孫が生まれ、孫と一緒に菖蒲を見て・・・

 

 一気にこの『菖蒲を愛でる』ができた。

 

 

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加島祥造氏の訃報を新聞で見つけ、

妻ともショックを受けた。

加島氏の住む伊那谷に行って見たいね。

今まで妻と何度もそう言ってきた・・・

 

妻は加島氏のご子息と中学の学友で、

伊那谷の様子を教えていただいていた。

私たちには気になる伊那谷だった。

 

また、

加島祥造氏の著書を通して、

私は老子の世界に誘われ、

人を見つめる言葉に出会った。

 

あらためて加島祥造氏に感謝するとともに

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

合掌

(2016.1.10 記)

No144 迎春 福寿草のアロマランプ~紅

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妻の体調があまりよくない頃、

二人で秩父によく行きました。

四季折々の秩父の自然にふれていると

不思議と元気になりました。

 

もう8、9年になるでしょうか、

妻と早春の秩父福寿草を見ようと

出かけました。

 

斜面いっぱいの福寿草

春を呼ぶ生命力に満ちているのでしょうか、

元気づけられました。

 

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この時、草花の詳しい人が居合わせ

紅色の福寿草があることを教わりました。

教わった通りに探したら、

山の斜面のやや離れたところに見つけました。

 

紅色ながらほんのりとして

周りにとけこむ優しい佇まい。

初めて見る紅色の福寿草秩父紅)に

二人で感激しました。

 

この日があって、

この作品が生まれました。

さらに言えば、

あの時教えてくれる方がいたから生まれました。

もっと言えば、

あの頃妻の体調がすぐれなかったから生まれました。

そんなふうに私は考えます。

 

そう考えると、この作品は

悪い時も悪いことばかりじゃないんだと

教えているように思えるのです・・・

 

 

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昨年はありがとうございました。

どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。

みなさんのご多幸をお祈り申し上げます。

(2016.1.3 記)

No.143 天使~神は細部に宿る

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妻は個展後、

オーダーを受けた作品を何種類か忙しくつくっていた。

あれっと目をとめた。

 

天使かあ。

なつかしい。

天使、いいよねえ。

 

このところだんだんと妻へのご依頼は

灯りやパネル等大きめのものが増えているので

天使のかわいらしさが新鮮に見える。

 

天使は6年前につくりだして、

4年前の個展にはたくさんつくった。

 

アンティークやきれいな色のガラスを使い、

全て手作りでつくられた作品の温かさを

多くの人に届けたいと思ってのことだった。

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簡単なつくりに見える天使だが、

小さなガラスピースを曲線でつくり、

それに銅箔まいて、ハンダでくっつけ、

更に手にはそれぞれの天使に合うものを持たせるなど

やりにくくて面倒な細かい作業が続く。

 

知り合いのステンドグラス作家が

私なら絶対つくらないと

強く言っていたのが印象的だった。

 

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この天使に持たせるのは、これ、どう?

妻は聞いてくるが、

私はそのくらいどうでもいいように思うこともあった。

そんな時でも、

妻は一人一人の天使に語りかけるようにして

つくっていた。

 

いつの間にか

「雪の天使」「空の天使」「野原の天使」

などそれぞれに名前がついていた。

 

妻のひたすらつくる様子を見ていて

“神は細部に宿る”というのなら

この天使に

神が宿るだろうと思った。

 

(2015.12.25)