妻を可愛がってくれたおじちゃんの四十九日が近づく。
作りたい、ただ作りたいと、
妻はこのお灯明を作りました。
妻から聞いたおじちゃんとの話です。
おじちゃんは自社ブランドのバッグをデパートにも卸していました。
妻が中学生になった時のこと、
おじちゃんは絵の具代がないならと
自社ブランドのバッグを1個500円で12個渡して、
妻に友達に売るといいよと言ってくれたとのこと。
破格の安さだったのか、あっという間に全部売れたらしい。
妻の差し出した12個分の6千円を見て、おじちゃんは、
ゆうこちゃんは大きくなったら商売しないほうがいいよ。
そう言って、笑いながら、
その6千円を絵の具の道具代にしなさい、
とくれたとのこと。
妻は当時を振り返っては、
売り上げで儲けを出すことが想像もできなかった
自分の愚かさと
いつも親身に応援してくれたおじちゃんへの感謝の気持ちで
いっぱいになるようです。
お葬式会場の遺影は
参列したみんなを温かく包むような笑顔のおじちゃんでした。
やさしく、すてきななおじちゃんでした。
だから、みんな悲しくなりました。
おじちゃんのお葬式のあと、
作りたいと言って出来た作品です。
灯りをともすと、
オレンジ色をおびた胡蝶蘭、
どうしても、おじちゃんを感じてしまいます。
おじちゃんに応援されて、
妻はステンドを作っています。
おじちゃんにお礼のステンドグラスの灯りができました。
おじちゃん、本当にありがとうございます。
(2016.11.5 記)
追伸
今日は、お墓への納骨でした。
おじちゃんとおばちゃんが4年前にお墓を作るときに、
二人で考えられた言葉とのこと。
本当におじちゃんおばちゃんらしい言葉でした。
ー思いやりー
聞き慣れた言葉なのに、
ずしんと重く響きます・・・
今、おじちゃんがおもいやりなのです。
(2016.11.6 追記)