心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.218 日本青年館ホール「木の灯り」(其の27)~「桐の灯り」第貳(だいに)

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※このたび追加注文で日本青年館ホールにお納めした作品

昨年末、日本青年館ホールから再度のご依頼でした。

“今度は催事入場者のどなたにでもご覧いただけますよ。

”なんと嬉しいお言葉でしょう。

妻と大喜びしました。

 

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※2階ホワイエと取付予定の同階階段周辺。

 設置場所は2階ホワイエに続く階段近くに、

佐藤佳奈さんの書と共に展示予定とのこと。

最初はもう一作品を設置条件に合わせて、

「木の灯り」のイメージでとのことでしたが、

打合せの中で「桐の灯り」になりました。

 

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森林組合長さんご夫妻にご案内していただいたときの鳥海山

私は妻の作った「桐の灯り」を見ると、

秋田の鳥海山をご案内くださった森林組合長さんご夫妻を

思い出します。

妻が「桐の灯り」のデザインで2,3日行き詰まったとき、

できた!と嬉しそうに言ってきました。

桐の花の背景を鳥海山にしたら

うまく全体がおさまったとのこと。

その時、一日中時間をかけて鳥海山山麓をご案内くださった

ご夫妻の笑顔も作品に重なって見えるようでした。

妻の孤独で厳しい作品づくりには

いつも誰かの応援があるように思います。

だから、作品を作り続けていられるのでしょう。

 

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※「桐の灯り」2017年制作

今回の「桐の灯り第貳(だいに)」は基盤が同じ物が

どうしても入手できず、妻は思わぬ苦労を重ねていました。 

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 ※前回と今回の基盤は見た目はわずかの違いですが、作る上では別作品。

できあがってみると、廊下歩行者が横から見ても

作品イメージのつかみやすいものになったように見えます。

大勢の人が行き来する賑やかな場ですが、

見る人に爽やかな感じを与えられることを願っています。

妻は基盤の違いをうまく生かしながら制作できたと、

ほっとしていました。

最初の予定よりも設置のための壁工事も

大がかりになるようですが、

いつ、どんなふうに展示されるか

楽しみです。

 

ウルトラマンと桐》

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今年も桐の花が咲き始めました。

私が桐の花で最も印象深いのは、

小田急線祖師谷大蔵駅北側にある広場に立つ桐です。

円谷プロが近くにあるので駅広場にはウルトラマンの像。

何度乗り降りしても広場に行くことはなかったのですが、

たまたま2年前の春、広場に行って、ウルトラマンに驚き、

そのウルトラマンのように大空を見てさらに驚きました。

「おー、こんな所に! 地上高く見事なきれいな桐!」

写真はそのときの一枚です。

この「桐」、ウルトラマン

地球と一緒に守られているような雰囲気を醸し、

ふつふつと何故か可笑しさと嬉しさがこみ上げました。

さらに後日、地域の方から教わりました。

実はこの桐の木、

駅舎改築時に伐採される予定だったものが、

住民の署名活動で中止になり、生き延びたものとのこと。

それから、この広場の桐は私には特別なものとなりました。

20年ほど前切られるはずだった桐の木が、

今春も、駅広場でウルトラマンや地域の方々に見守られて

見事な花を咲かせているでしょう。

   (2018.4.24 記)