※作品名「青いイチゲの灯り」 現在パレントにて展示中
3月に作った妻の作品です。
秋田等北日本で見られる青い菊咲一華(キクザキイチゲ)を
サンドブラストした青色硝子。
その青の吸い込まれそうな透明感、
ふか~い湖の底をのぞくようです。
家族で帰省時よく訪れた田沢湖を思い浮かべます。
日本一の深さと摩周湖に次ぐ透明度(私の子ども時代)
北国のそんな湖畔に春を告げるイチゲ。
顔を出す頃、
湖畔は一気に春の装いと化すのでしょう。
5月中旬、
今、そんな時期でしょうね。
一枚のアンティーク硝子(宙吹硝子)に
あれこれ想像が湧いてきます。
たった一枚のピースで。
すごい硝子です。
実は、妻のこの作品は、
モチーフにしているとのこと。
私には見た記憶がなかったのですが、
妻はその可憐さに感激していたようです。
「あったかなあ…」
妻は写真も撮っていたとのこと。
なるほど。咲いていたんですね。
ん~、見たような気がしてきました…
このとき妻の作りたいと思った菊咲一華は、
2年経て「青いイチゲの灯り」として完成しました。
※ピースごとに作り、並べた状態
この青、いい硝子だねえと言ったら、
妻がサンゴバン社(仏)のアンティーク硝子と、
教えてくれました。
この硝子を使って表現したそうです。
※灯りを通すと違う顔に見えます。
妻はアンティーク硝子はそのものが芸術品だと言います。
今も昔と変わらず職人の方が吹いて作る硝子です。
素人の私が見ても何となくその良さは分かります。
硝子なのに、置く場所や時間でその表情は変わり、
まるで生き物のようです。
この硝子のお陰で、妻の表現したい日本の四季が
より深まるように思います。
それ故か妻は作品にあったアンティーク硝子を
いつも探し求めます。
この数年、口惜しいことに
世界有数のメーカーの生産中止や廃番等が続きます。
もっとこの硝子の良さが世の中に伝わるといいのにと
思います。
(2018.5.14 記)