朝、目覚めて
出窓の茶々ちゃんに
「おはよう」
陽が昇り
抜けるような青空。
そして 澄んだ空気。
昼下がり。
茶々ちゃんの下に
茶々ちゃん。
いつまで散歩するの?
日が暮れたし…
おうち、帰ろうよ。
今日が終わったよ。
茶々ちゃん、
ありがとう。
1ヶ月ほど前、たくさんの野の花の図案を並べ、
思案している妻に気づきました。
花の数も増えていきました。
真ん中にはかわいい犬の写真。
少し寂しげですが…
かわいがっていた犬を亡くされた方からの
ご依頼の作品だとすぐ分かりました。
できた作品の茶々ちゃんを見て、
場所や時間で茶々ちゃんはどんな表情を見せるのか、
私は写真を撮りたくなりました。
※最初からの5枚はこの時の撮影したものです。
そして、ブログのためのご依頼主の方とのやりとりから
茶々ちゃんのことを教わりました。
生後3ヶ月後位で通称「犬捨て山」に保護され、
その1週間後にもらい受けたこと。
その時に、ご自分がこの犬の最期を看取ると
決められたこと。
とにかく茶々ちゃんは散歩が好きで、
家に帰りたくないコの字のポーズもあったこと。
15歳まで病気もなく、
年老いて亡くなったこと。
昨年春はつらくて歩けなかった駅までの道も
かつて茶々と見た野の花や樹木を見ながら
今は歩けるようになられたこと。
そして、
「喪失感を埋めてくれるのはたくさんの思い出」と
加えられていました。
大切なものを失ったときの人の悲しみの深さは
いかばかりでしょうか。
しかし、
失ったものとの思い出がそれを埋めてくれるとの
ご依頼主の方の言葉に
私が感じたのは、
悲しみの先にある救い…
希望。
そう思って撮った写真をもう一度見ましたら
茶々ちゃんの寂しげだった表情が
やさしくやわらいでいるように見えました。
妻の作った小さなパネルが、
茶々ちゃんをかわいがってこられた方の
思い出の片隅に加えさせていただけたことを
嬉しく思います。
(2018.6.4 記)