~お納めした髙野さんから
その夜にメールが届きました~
今晩は。髙野です。
今日は素敵なステンドグラスを取り付けていただき
ありがとうございました。
写真の通り、超素敵な「窓」になりました。
心がワクワクして興奮鳴り止まず?です。
本当にありがとうございました。
~翌朝、また髙野さんからメールがきました~
お早うございます。
今朝は窓から差し込む朝日(赤い太陽光)を受けて、
雅な世界を醸し出していました。
太陽光線によって色の違いまで
楽しんでいます。
メールを見て妻は嬉しそうでした。
妻が作品を作り続けることができるのは、
ご依頼者に喜んでもらえるからです。
制作過程もご依頼者と歩んでいるかのようです。
《制作過程》
1 もと絵
「小説伊勢物語 業平」髙樹のぶ子著 大野俊明 の挿絵
昨年、妻が作った北斎の[神奈川沖浪裏」(注1)を
気に入っていらした髙野さんから、
“そのうちお願いします”とのご依頼がありました。
その後、髙野さんが
ステンドをはめ込む枠をドアに設けたと
教えてくれました。
2ヶ月半前、
モチーフの絵が決まり、
お宅に招かれてお打合せをしました。
ご指定の絵は「伊勢物語」の「夢うつつ」。
妻は平安時代の絵巻絵は初めてでしたが、
ご依頼者のお陰でいろいろな作品に挑戦できると
意欲満々でした。
2 下絵とピース作り
左:元絵からステンド用にデザイン 右:ステンド用ピース
下絵作業は元絵の良さを
ステンドグラス作品として表す大切な過程。
下絵を何回も描きなおし、
決定前にまた髙野さんにその画像を送っていました。
絵が決定してから、
一片ごとに切ってピースにします。
3 ガラス選び
色合い、透け感など作品表現に直結します。
ピース1枚でもどのガラスをどう使うか
気を遣うところのようです。
どんなガラスを使うか、
髙野さんに直接見ていただいて、
説明と相談を重ねて決めました。
4 ガラス研磨後のピースはめ
17cm×23cmの四角の中に116個のピース。
小さいピースが多いようです。
5 テープ巻き
テープ巻き作業を見ていると、
いかにも職人さんみたいで、
私はこの作業にあこがれます。
巻き方一つで、
作品のできにも影響がありそうで…
ん~、やっぱり見ているだけがいいですね。
この後、ハンダ作業になります。
もっと職人さん風になります。
6 作品完成
作品が完成すると出窓に置いてみます。
ガラスが自然の光を背に生き生きするように見えます。
妻も私も出窓に置いて撮る写真が好きです。
7 ドアにはめて完成
最後に、
このような平安の世をステンドで表現する機会を
髙野さんにいただいたことに感謝しています。
私は
日本の人々が親しんできたモチーフで
もっとステンドを楽しむ機会が
暮らしの中で増えるといいなあと思います。
私は美術や美学についてはよく分かりませんが、
生活者としての暮らしの気分が変わるということを
私自身実感してきました。
同様にご依頼者の方にも、もしうまれるようでしたら…
妻の励みになると思って
妻のステンド作業を見てきました。
(2020.12.9 記)
(注1)
髙野さんのご覧になられた北斎の「神奈川沖裏浪」の作品
紹介のブログ → No.201 北斎富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」 - 心に灯るあかり *あとりえ 悠* (hatenablog.jp)