登場人物:兎 狐 栗鼠 オコジョ 木
(言葉のないほうが楽しんでいただけるかなあ…)
「美術作品と言葉」
私は小さい頃から絵を描くのが苦手でした。
青空のつもりが、今にも土砂降りになりそうな空となり、
自分の絵を見て泣きたくなりました。
工作の仕上げには手間取り、
先生の「急がなくて大丈夫よ」の言葉に
私の頭の中はパニックとなりました。
そんな私でも美術作品を見るのは好きです。
妻がステンドを作るようになって、
美術館巡りがいっそう楽しいものになりました。
2014年の日展は、マスコミを賑わした事件もあり、
伝統ある日展を大幅に見直しをして、
「改組 新 第1回NITTN」開催の年でした。
そんな意気込みを展示された作品に感じ、
「日展アートガイド2014」を購入しました。
そのガイドにあった外部審査員本江邦夫氏の言葉です。
特薦審議でのこと。
20名の審査員それぞれの推薦する2点の作品応援演説で
多くの作品群に今まで紛れていた一つの作品が、
急に溌剌として輝き出すという感動的体験を
述べられていました。
言葉の力とおっしゃっていました。
このお話に、
私自身も素人ながら深く納得しました。
かつて、画家(版画家)の吉田博の作品展で、
山の版画を楽しんでいたときに、
氏自身の言葉に作品をより深く味わうことができました。
また子ども達の描く世界があまりにも豊かで創造的で
わくわくした展覧会を観たことがあります。
子ども達の描く世界を一度言葉で掘り起こす過程を経たと
図工教師は私に教えてくれました。
今まで私は「美術作品と言葉」の密接な関係と
その重要性を何度も感じてきました。
とは言っても、
一切の言葉と予断のない美術鑑賞もまた
刺激的で楽しいものだと思います。
私は「森の灯り~冬」の作品をじーと観ていて、
一切の言葉と予断のない状態で作品を目にするだけの
そんな作品紹介もいいなあと思ってしまいました。
(2018.12.10 記)