妻はpaleんtte(パレント)の*あとりえ悠*フェアに向けて
「紀の川」の第3弾として「薔薇紋様の小さな行灯」をつくりました。
一作目のパネル、2作目の行灯に比べて、全体的にサイズは小さくなりましたが、
佇まい、雰囲気はやっぱり「紀の川」です。
1つずつのピースを小さくしながらも4面全面を覆った薔薇文様の効果でしょうか。
妻の作品の制作過程の時、素人の私には、
なぜ裏面まで表面と同じように手間暇かけてつくるのか理解できないことがあります。
「見えないのに」「見ないのに」と思ってしまいます。
作業工程を考えるなら、2面なら時間も大幅に短縮できるでしょうに。
でも妻は当たり前のように4面を仕上げます。
そして「作品はつくりあげると自分の手を離れて成長する」と言います。
妻にとって作品は子どもと同じなのでしょう。
この作品が出来上がり、陽の光が裏面を透過してモチーフのシルエットが表面に浮き出すのを見て、
妻はやたらと感激していました。
この効果は想定外だったようで、喜びもひとしおでした。
本当にステンドが好きで、作品は子どもなんですね。
そして、妻とこの作品の話をしていて、妻が最後に言いました。
「うーん・・・表も裏もないんだけど。」
えー!
はい、もう降参です。
*あとりえ 悠*フェアでは、
一目見て気に入ってくださった方がいらっしゃって、
真っ先にご購入予約が入ってしまいました。
もう少し我が家で愛でて...と思っていたのですが、
うまくいかないものです。
とても気に入ってくださっていたので、
これも縁でしょうか。
「幸せに。末永く可愛がってもらってね。」と
私まで嫁がせる父親気分・・・
こちらは一作目の「紀の川~薔薇文様」のパネルです。
和歌山の方にお納めしました。
こちらは、2作目の「紀の川~薔薇文様の行灯」です。
「紀の川」は妻が和歌山を訪ねたことで得られた作品のように思います。
室町時代の美しい水干に魅せられ、
それを素材に自分のもっている技を駆使して表現した記念すべき作品です。
それが和歌山に住宅を建てられた方の何気ない一言から始まったとしたら・・・
先のことは分からないものです。
※上左は高野山奥の院御廟、上右は高野山天野社伝来の舞楽装束、下左は紀ノ川、下右は粉河寺
(2014.4.29 記)