※日本青年館のポスターを許可を得て転載しました。
『とおの木』は日本青年館ホールにお納めする、
妻の10作品の灯りに指定された樹木10種。
赤松、桂、桐、欅、栗、小楢、杉、栃、朴、山桜。
「これは50年程前
私が学生時代につくった葉の標本です。」
路上の朽ちてボロボロになった葉を見慣れた者には
驚きだった。
木から採ったままの姿で50年とは。
妻は、
「今、木にくっついている葉よりきれい!」と
感嘆の声をあげた。
『あがりこ大王』を訪ねた翌日。
組合長室で専任指導員の方にお目にかかり
腊(さく)葉標本を見せていただいた。
葉を傷めないようにしながら、
一日2回、それを葉の状態を見ながら1ヶ月間
吸取紙に葉を挟んで水分をとる作業が続くとのこと。
さぞ注意力と根気のいる作業だろう。
作業を通して今も思い出すのだろうか・・・
均一じゃないからね!
大変さがにじんでた。
自然相手はこちらが決めたとおりには行かないということか。
それにしても、標本づくりを指導された先生も
すごい方だと思った。
標本づくりを通して学生たちに、
木を愛することと自然とは何かを教えたのだ。
それが50年後の今も教え子の中に宿っているのだから、
本当にすごいと思う。
標本を一生懸命作り、今も大事に保存している元学生が
まぶしく見えた。
そう見えるのは、私が学生時代、
担当教官が嘆くほど大学の勉強をしなかったし、
その恩師に60過ぎてもまだおしかりを受けるからかも知れない。
それにしても見事な標本だった。
森林組合長室で出会った葉の標本に、
妻と二人で感激した。
森林組合長さんが会議の合間をぬって駆けつけてくれた。
葉の標本をつくられた方はここの元センター長とのことで、
同席され、さらに野外施設をご案内くださった。
木を巡る感動いっぱいの三日間でした。
木との出会い、
そして、また忘れられない人との出会いでした。
出会った木と出会った人々すべてに
心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
行って良かったねえ、
ありがたいねえ。
今日もまだ二人して言ってます。
(2016.5.21 記)