※左面:春 右面:冬
私には身近過ぎるように思える欅だが、
ひと冬前に始まった欅とのふれあいに、
妻は何を感じたのだろうか。
欅のすべての始まりは冬。
欅の古木の穴に宿るスズメ。
春を焦がれる実生(みしょう)を宿す欅。
木枯らしにゆれる小枝にも、
期待はふくらむ。
春、
見ると、
赤くかわいらしい花。
※左面:秋 右面:夏
夏、木陰飛び交うルリビタキ。
幸せを呼ぶ青い鳥。
旧日本青年館にも大きな欅。
紅葉した葉の奥に
ふんわりと秋の欅並木。
組み立て前の冬から始まる欅の四季。
※右から冬、春、夏、秋
“身近なものほど気づかない
見ようとしなければ見えない”
私は小さい時から欅を見て育ったが、
こんな花をつけるとは知らなかった。
花は妻に教わった。
妻は感受性が強く
作品作りには役だつようだが、
疲れないかと気の毒に思うこともある。
私は自然に見えてきたもので十分な質。
妻は私の鈍感力が羨ましいとよくいう。
褒められたのか、
しょうがないねと言われているのか
よく分からない。
踏み込まないようにしているから、
ひと時幸せだ。
(2017.3.15 記)