心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.211 「あとりえ 悠」10周年お礼~田中さん宅訪問 

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田中さんは、

妻が今日このようにステンドを作ることを

導いてくださったかけがえのない方です。

昨秋、田中さん宅に、

あとりえ悠10周年報告とお礼に伺いました。

 

田中さんはお父様から骨董の手ほどきを受け、

国内はもとより外国の美術工芸品も求められ.

ご自宅はさながら美術館のおもむきです。

また、お住まいの建替には、

古民家の梁や倉の扉など国内の四方八方を探し求め、

3年がかりで邸宅を完成させた方です。

そのような方に、あなたの作品はどれも好きと言われ、

どんなに妻は勇気をもらったことでしょう。

今のようにご注文の作品作りが忙しくなる前の時代に、

妻は田中さんに14作品をお納めしました。

 

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田中さんのご主人は蘭がお好きで、

蘭のパネルもご注文くださいました。

妻は何度も何度もデザインをし直ししながら

制作に取り組み、お納めしました。

 

この日の訪問で、

玄関から階段を望む大きな梁の下の壁に

その『蘭のパネル』を見つけました。

「おー、久しぶり!」

声をかけたくなるほど懐かしい気分になりました。

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あの時代に田中さんと出会わなかったら…と、

妻は今もときおり言います。

このように人に求められて忙しくステンドを

作っていたかどうか、分かりません。

作品を求められて,

手渡してお金を頂くプロ意識もまた

田中さんに教えられたように思います。

 

妻の作品作りの眠れない程の葛藤と苦しみを見ると、

そこまでして作るのかと

気の毒に思うことがあります。

しかし、作品を手渡した時のご注文された方の喜びに

妻は自分の喜びを重ねられるのでしょう。

妻も本当に嬉しそうです。

そんなとき私は、

“よかった。こんなふうに生きていられて。”

体調の良くなかった10年程前を思い出します。

そして、田中さんとの出会いに感謝します。 

妻が元気でいる…

こんなに嬉しいことはありません。 

 

あとりえ悠の誕生は

田中さんの『蘭のパネル』制作時に

妻は工房を『あとりえ 悠』として名刺を作りました。

それからの10年です。

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「あとりえ悠」の10周年は、田中さんをはじめ

今日までに出会った多くの方々のお陰です。

 

10年経たことの報告をこうして皆様にご報告し、

併せて心より感謝申し上げます。

(2018.2.25 記)