心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.178 幼稚園のパネル「光に向かう子ら(仮題)」~その1「下絵完成」

 

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※幼稚園取材時、手を繋ぐ子らの撮影をさせてもらいました。

 

幼稚園の窓の制作, 決まったのは11月。

日本青年館ホールの11個の灯り納入が6月。

その他新築される方からやお取扱いのお店からのご注文品、

成人式の内祝い、初節句のご依頼等々

諸々立て込んだ厳しい状況のように思えるのですが、

幼稚園のパネル納入2月の作品ご依頼を

妻は受けることにしました。 

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※取付場所の踊り場の窓は82cm×154cm。

今までは大型作品のご依頼の場合、他の工房を紹介してきましたが、

今回は左右半分ずつの制作が可能でした。幸いでした。

 

正直な所この仕事は、私にとっては特別でした。

妻が受けてくれたのは、私にはとても嬉しいことでした。

園長さんは私の大学時代のグリークラブの先輩で

「伝説のテナー」と言われた方でした。

学生時代あんな風に歌えたらと、

憧れ、練習に励んだものです。

そんな先輩のお役に立ちたいと思っても、

ステンドを作るのは妻です。 

 

いつも子どもたちのことを頭に置いている妻、

作ったステンドが子どもたちといることが幸せだという。

そんな気持ちも働いたのでしょうか。 

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※園を訪ねて相談しながら、モチーフが決まっていきました

 

それから妻は時間を見つけて園を訪ねて取材したり

園と図案の打合せしたり。

5度の園とのお打合せを経て、ようやく図案がかたまりました。 

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※5枚目が最終図案となりました。

 

その間に私の母が亡くなり、妻も私の田舎に滞在。

何日もステンド作業の全く出来ない期間もありました。

思うように時間がとれず、制作予定はかなり遅れ、

妻はかなり焦っていました。

そこで晦日大晦日は思い切ってステンド最優先。

何とか大晦日の夜に型紙ができました。

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これが終わるとガラスカットの作業に入ることができます。

型紙のピース一つ一つに番号がふられます。

思った以上に多いピースを見て

“ピースは全部でいくつ?”

と妻に聞いたら、

“お父さんの誕生日の数字!”

と言うので、“514か?”と聞いたら

“そう!” 

 と言ったあとすぐ

“あっ、2個それより多い!”

とのこと。

結局私の誕生日とは関係ありませんでした。

 

ようやく少し先が見えました。

妻はほっとしていました。

私もほっとしました。

厳しい日程の中、体調をこわさず、

何とか期限内に完成出きるようひたすら願うのみです。

 

(2016.1.3 記)