ウサギ2羽
何を見ているのでしょうか
何を思うのでしょうか
私には、宵待草(いわゆる待宵草)と言えば、
先ず「待てど暮らせど来ぬ人を…」の竹久夢二の歌です。
夕暮れ時に黄色い花を開き、
夜に咲き続け、朝にはしぼむこの花の儚さを
しみじみ感じさせる歌です。
野外で見つけたときの待宵草は、
私の中に抒情豊かなメロディーとともに夢二の詩が流れて、
ちょっぴりもの悲しい気分にさせる不思議な花です。
ところが、妻の作ったこの「宵待草の灯り」、
月と宵待草とうさぎからは、
儚さやるせなさは感じられません。
その理由はうさぎ2羽とその佇まいのようです。
寄りそった2羽には幸せな空気が流れています。
聞けば、結婚記念にとご依頼された作品のデザインを
もとにして作られたとのこと。
なるほど!
納得です。
幸せな、満ち足りた空気感の宵待草です。
これはこれで、いいものですね。
ご結婚記念用にとご依頼くださったお二人に、
作品を通して作り手の思いを届けたのでしょうね。
いろいろなことはあるでしょうが、
末永くお幸せにとの作り手の思いです。
ところで、今日24日は中秋の名月。
見られるといいですね。
この作品を展示中の保育園
妻はかつてお世話になった保育園に
季節感を味わえるように作品を月ごと替えながら
展示させていただいています。
この作品は9月展示用に作りました。
いつも園の玄関に妻の作品が引き立つように、
作品世界を演出してくださって感謝しています。
先日撮影のために一時引き取りに伺いましたら、
作品の周りには季節の元気な栗が添えられていました。
このような展示を10年以上続けてくださっています。
展示をして観ていいただけることがまた、
作り手としての妻の励みです。
本当に感謝しております。
(2018.9.24 記)