心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.133 紅色の小紋~絵付け技法に挑戦

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フランスで絵付けを学ばれた川崎悦子先生の

レース模様の作品は衝撃でした。

ステンドグラス発祥の地で、

養われたのは繊細な和の心だったのではと、

想像してしまう作品でした。

一気に妻の思いに火がついたようです。

この技法を習いたい!

早速川崎先生の教室に通い始めました。

 

それからもう5年が経ちました。

都心への教室通いは片道1時間半。

妻にはきつい道中のようで、

時間や体調と相談しながらでした。

休むことも多く、時には1年程休みが続いたり・・・

いつ辞めるのかなと思った頃もありました。

諦めなかったこと、辞めなかったことが不思議です。

 

そして、ようやくつくりたいものを

教室で学んだ技法で試せるところまできました。

やっとここまで辿りつきました。

 

《絵付け作業例1》

ガラス選びとカット(マスキングはブラスト用)

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実は、私は妻がステンドを始めた頃、

美術的表現は一つの技法を極めながら

自分の作品世界を表して欲しいと思っていました。

あれもこれもと技法を駆使するのは如何かな?

そんな思いでした。

 

《絵付け作業例2》 剥がし

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その後、サンドブラスト技法を入れた作品誕生に

付き合っているうちに

もの想ううさぎの後ろ姿や野の花の可憐さを見て、

作品とは作家が表現したいものが最も大切で、

技法は手段の1つに過ぎないんだと思うようになりました。

 

《絵付け作業例3》線描き・塗りつぶし・影つけ・剥がし

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妻は挑戦してできたピースをつかって

行灯を作ると張り切っています。

小紋の行灯!

いつできるのでしょうか。

秋の夜長・・・

楽しみです。

そして、それを見ながら、

私は、妻があきらめないで良かったと思うのでしょう。

(2015.10.27 記) 

※25日のブログを編集中削除してしまい、再投稿しました。