心に灯るあかり *あとりえ 悠*

*あとりえ 悠*は妻・一ノ関悠子の小さなステンドグラス工房。妻のつくった作品を写真と文章で紹介します。ステンドグラスのよさが伝えられたら幸いです。

No.307 世田谷大蔵プロジェクト~その1『雨鱒のパネル3「内覧会」』

マザーハウスに入る時に「雨鱒のパネル」が迎えてくれました。

 

大蔵プロジェクト主催の安藤さんから

マザーハウス内覧会のご案内が届きました。

妻と私はもちろん出席。

妻にステンドを教わって作っている方々にも

声をかけました。

 

皆さん、我が家で妻が制作中も完成後も

「雨鱒のパネル」はご覧になっているのですが、

実際にマザーハウスの壁にはめられている状態にも

興味があるようです。

またマザーハウスという聞きなれない建物にも

関心をもたれたようでした。

妻の教室に通われている中で都合の付く方4名も

この日の内覧会に参加しました。

「雨鱒のパネル」前で内覧会が始まりました。冒頭、設計された「ビオフォルム環境デザイン室」代表山田さんが集まった皆さんに、建物について説明をされました。

私は人の棲まう居の在り方としての住まいをここに造り上げたように思いました。

 

 

強烈な日差しの下、マザーハウス前にたくさんの花が元気に咲いていました。

本来なら侵入禁止の囲い等に覆われるところを

自治体に掛け合ってお花を植えることを認めていただいて

こうなったと説明されたプロジェクト主催の安藤さんの話に、

「いいなあ!」

その斬新なアイデアと実際に真夏にも花を咲かせる実行力に

「すごいなあ!」

 

マザーハウスのマザー村上さんが

大勢の人が行き来する中

台所でかぼちゃやらカレーやらを

調理されていました。

そんな合間に

ここにひと月近く住んで

風通しの良さ、早朝は田舎のキャンプ場のように涼しい、

との話をしてくださいました。

私たちもマザーハウス内にお邪魔して

その風通しの良さに驚きました。

マザーの村上さんには

落ち着いた頃にまたみんなで訪ねたいからよろしくね、

と言ってお別れしました。

 

 

妻もお集まりの皆さんに説明を求められ、ステンドグラスのパネルについて話しました。

 

「こんなこともありました」

~ 映画「雨鱒の川」~

妻は教室にステンドを作りに来られている方と、作業合間に「雨鱒のパネル」についてよく話題にしていました。ある時、お仕事で映画製作にかかわってこられた方と「雨鱒の川」という映画の話題になった時です。「あっ、その映画の子どもの絵、私、描きました。」

雨鱒の川」は玉木宏綾瀬はるか出演の20年前の映画です。二人の初々しさと北海道の広大で美しい風景とに驚きながら妻と二人で観ました。確かにあのシーンの絵は物語を展開していくうえで重要な素材。美術担当のプロの仕事だったのかと納得しつつ、描いた本人が目の前にいることに驚きました。

この方は、今も映画関係の仕事で忙しくしていますが、内覧会に参加されました。この日、マザーハウスを訪ね、「雨鱒のパネル」をご覧になりながら、20年ほど前のご自分の仕事も思い出されているかもなあ。ふと思いました。

(2023.8.15 記)